今から新居を建てようとしている人の中には色んな資料やカタログを集めたり、中には何件かモデルハウスに行ってみたなんて人もいるでしょう。
その中でよく「パネル工法」という文字を見ますよね。
この「パネル工法」とは一体何なのでしょうか?
この記事では実際にこの「パネル工法」で新居を建てた私が
- 「パネル工法って何?」
- 「パネル工法にするメリットやデメリットって何があるの?」
- 「どんな種類があるの?」
といった疑問を解決していきます!
この記事の目次
パネル工法とは?
パネル工法は「プレハブ工法」「ユニット工法」とも呼ばれています。
今までの家作りは「在来工法」と言って現場で大工さんたちが家を組み立てていました。
ですがこの「パネル工法」というのは簡単にいうとリビングや寝室といった部屋を箱に見立てて1部屋ずつ工場で組み立てます。
そうして部屋の箱が出来たら現場に運んで1階から順番に組み立てて行くんです。
今まで家作りの全部を現場で行っていた作業を工場で作業するようにしたものを「パネル工法」というんですね。
工場で80~90%の作業をしてしまうので、現場での作業は少ない日数でできるようになるんですよ。
このパネル工法には種類が3つあり、
- 木質系パネル工法
- 鉄骨系パネル工法
- コンクリート系パネル工法
と呼ばれています。
パネル工法のメリット
3種類のパネル工法の説明の前にまずは共通するパネル工法のメリットを説明します。
メリットは「工場作業な事」です。
現場で組み立てると天気や周辺への騒音問題などに左右されがちです。
ですが、工場でパネル工法はほとんどの作業を工場でするので、一定の品質を保てます。
急な雨で部材が濡れてしまって作業が出来ないなどの問題も起きないのが最大のメリットと言えます。
また、短い期間で低価格で家作りが完成する、というメリットもあります。
工場で作業をするので現場に左右されず作業が出来る事と、箱を1つずつ作るという工法なので人件費を抑えやすくなるんですね。
なのでお金に余裕がないけど早く家が欲しい人や、普通なら積雪で現場が中止になってしまうような雪国で暮らす人もいつでも家作りがしやすくなったんですよ。
パネル工法のデメリット
デメリットは「自由が利かない事」です。
パネル工法は箱を組み立てて作る方法なのである程度形は決まってきてしまいます。
なので、窓を大きくしたい!など外観、内観にこだわった家を作りたい人は向かない工法になっているんです。
また、工場で作った箱を現場に運んで組み立てていくので、土地への道路が狭いと難しくなってきます。
リビングや寝室などの大きな箱を積んだトラックが通れる道がないとダメなんですね。
なので都会や密集した住宅地に家を作りたい人は注意が必要です。
さて、パネル工法がどんなものかメリットやデメリットも含めて分かった所でこれから3種類のパネル工法について説明していきます!
木質系パネル工法とは?
最初は「木質系パネル工法」です。
木材で作られた家ですね。
この木質パネル工法と呼ばれる工法は元々「2×4工法」と呼ばれるものの進化系なんです。
2×4工法とは床や壁、屋根が一体になっている工法です。 決められた木材と合板と呼ばれる壁みたいな板で作るので高度な技術が必要ないんです。 ちなみにツーバイフォーと読みます。 木材のサイズが大体2インチ×4インチ位なのでこう呼ばれるようになったと言われています。
2×4工法とは床や壁、屋根が一体になっている工法です。
決められた木材と合板と呼ばれる壁みたいな板で作るので高度な技術が必要ないんです。
欧米など海外ではこの2×4工法が主流になっているんですよ。
木質系パネル工法と2×4工法は本当に構造がそっくりです。
ですが、より簡単に作りやすくしたのが木質系パネル工法になります。
木質パネル工法のメリット
2×4工法の進化系である木質系パネル工法。
そのメリットは何なのでしょうか?
メリットは「断熱性・気密性がバツグンに良いこと」です。
今までの木造住宅は風通しが良いのがメリットでした。
湿気がこもりにくかったんです。
ですが、風通しが良いということは家の中の温かい熱も外に逃がしていたんです。
しかも断熱材も入れにくい構造でもあったのです。
つまりは真冬にはとても寒い家になってしまっていたんですね。
ですが、このパネル工法にするとそれが解決することが分かったのです。
パネルと呼ばれる面材で部屋全部を覆うと断熱効果・気密性が段違いに上がったのです!
なので真冬でも熱を逃がさない温かい家が出来るわけですね。
私も雪の多い地域で暮らしているのでこの木質パネル工法はとっても助かるのでこの工法にしたんです。
また、熱を逃がさないということは熱を入れない家、という事にもなります。
どういうことかというと真夏の暑い日差しも家の中には入らないようになるんです。
なので寒い地域で暮らす人だけではなく、暑い地域で暮らす人にもメリットがある家になるんですよ。
木質系パネル工法のデメリット
では今度はデメリットの説明です。
木質系パネル工法のデメリットは「リフォームがしにくい事」です。
木質系パネル工法は先程説明した通りに2×4工法みたいな床、屋根、壁が一体になっています。
つまり壁や床で家を支えている訳です。
リフォームをすると家を支えている壁や床に影響が出てしまうので自由にリフォームがしにくくなってしまうんですね。
よく子供が育ってから「老後の事を考えて玄関をバリアフリーにしよう!」とする人もいますが、難しくなってしまう訳です。
なぜリフォームが難しいかというとリフォーム会社がこのパネル工法でリフォームできる!という所が少ないんです。
また、確実に他の工法で建てた家よりリフォーム代が掛かってしまいます。
リフォーム出来る会社が少ないからリフォーム代が嵩んでしまうんですね。
私は老後のことを考えてリフォームをしなくても住みやすい家、というのを考えて建てました。
こういった方法も取り入れて見るのもアリ、ですよ。
鉄骨系パネル工法とは?
2つ目は「鉄骨系パネル工法」です。
鉄骨パネル工法というのは骨組を鉄骨で作っている家です。
木質系パネル工法では木材をパネルにしていますが、この鉄骨系パネル工法では「気泡コンクリート」と呼ばれるものを組み合わせています。
このパネル工法に使われている鉄骨は「軽量鉄骨」と言われる軽くて薄い鉄骨を使っています。
軽量鉄骨は重くて厚い「重量鉄骨」に比べると費用も安いんです。
重量鉄骨はビルなどの大型な建物に使われていますが、住宅にはそこまでの鉄骨は必要ではないのです。
なので軽量鉄骨が使われているわけです。
どのメーカーも有名なメーカーですね。
鉄骨系パネル工法のメリット
鉄骨系パネル工法のメリットは「品質にブレがない事」です。
このパネル工法自体、工場で作っているので品質にブレはないのですが。
それでも木質系パネル工法は木材を使っているのでブレやすいんです。
やはり木材は植物なのでどの部分、どの産地の木材を使っても全部一緒…という訳にはいきませんよね。
ですが、鉄骨は金属なので均一な品質保てるんです。
また、金属の鉄骨は誰が建てても強い家になります。
なので雪が多い地域に住んでいても潰れることがなく安心して住める家になるわけです。
雪が多い地域に住んでいる人には本当に死活問題なので、こういった鉄骨系パネル工法はおすすめです。
鉄骨系パネル工法のデメリット
ではデメリットについて説明していきます。
デメリットは鉄骨系パネル工法は鉄骨で作られているので「熱伝導率が良い」のです。
熱伝導率が良いと、外の熱が家の中にも伝わってきやすいんです。
外が真冬なら寒気が、外が夏なら暑気が入ってきてしまうわけですね。
最近、異常気象ばかりなので家の中だけでも快適に暮らしたいですよね。
また、外気、内気が伝わりやすいと結露もしやすくなります。
そして鉄骨の中まで結露してしまうと今度は鉄骨が錆びてしまう…ということも可能性としては0じゃないんですね。
もちろんこういった自体にならないようにハウスメーカーも対策をしていますが、やはり住む場所の気温や湿度では結露がひどかったり、錆びてしまったり、なんてことも起きてしまうという事を覚えておきましょう。
コンクリート系パネル工法とは?
最後は「コンクリート系パネル工法」です。
PCパネル工法とも略される事もあるこの工法はプレキャストコンクリートというコンクリートと鉄筋を組み合わせて作る工法です。
工場でコンクリートを打つので普通のコンクリートの家よりも高品質なコンクリートになるんですよ。
パネル工法の中で1番しっかりした作りの家になります。
コンクリート系パネル工法のメリット
ではメリットの説明からしていきましょう。
コンクリートパネル工法で家作りをした場合の最大のメリットは「燃えにくい事」です。
やはりコンクリートで作るので火災に強いんです。
今回紹介した3種類のパネル工法の中で1番の強さです。
そして、ただ火に強いだけではなく延焼も起きにくいんです。
冬など乾燥した季節はどうしても火災というのが起きやすいので、燃えにくい・延焼しにくい家というのは工法選びの大きなポイントになってきます。
また、コンクリート系パネル工法だと「遮音性バツグン」です。
コンクリートというのは重くて密度が高いです。
なので家の中の音、外の音が聞こえにくくなります。
家でピアノを弾きたい、ピアノ教室を開きたい人や音楽が趣味で楽器を鳴らしたいなど、人目を気にせずに音楽を楽しみたい人には最高の家になりますよ。
コンクリート系パネル工法のデメリット
デメリットは「建築費が高い事」です。
まず、このコンクリート系パネル工法という工法自体が木質系パネル工法や鉄骨系パネル工法よりも一般的ではないんですね。
みなさんが知っているような有名なハウスメーカーや大手と言われるハウスメーカーではこの工法は残念ながらやっていません。
なのでまずはこのパネル工法で家作りをしているメーカーや工務店を探さなくてはいけない訳なんです。
そうした理由や単純にコンクリートが高いという理由でこのコンクリートパネル工法というのはどうしても建築費が高くなってしまうんですね。
ですが、高いのはあくまでも今回紹介した3種類のパネル工法の中で、の話です。
なのでお金に余裕があり、コンクリート系パネル工法に興味がある!という人は検討してみるのもアリです。
まとめ
パネル工法とは?
- 工場で80~90%作業しその後現場に運び、組み立てる箱に見立てて作る工法の事
- 3種類あり、それぞれ「木質系パネル工法」「鉄骨系パネル工法」「コンクリート系パネル工法」と呼ばれている
パネル工法のメリット
- 工場作業な事
- 一定の品質を保てる
- 天候に左右されない
- 短い期間で低価格で家作りが完成する
パネル工法のデメリット
- ある程度形が決まっているので自由度少ない
- 箱が通れる位の道がないとダメ
・2×4工法の進化系で床や屋根が一体になっている
木質パネル工法のメリット
- 断熱性・気密性が良い
木質系パネル工法のデメリット
- 家を支えている壁や床に影響が出る為リフォームがしにくい
- リフォーム代が高い
- 対応しているリフォーム会社が少ない
- 気泡コンクリートと軽量鉄骨を組み合わせて作る
鉄骨系パネル工法のメリット
- 金属なので均一な品質保てる
- 重いので潰れにくい
鉄骨系パネル工法のデメリット
- 熱伝導率がいので外気が入ってきやすい
- 外気、内気が伝わりやすいので結露しやすい・錆びやすい
- プレキャストコンクリートというコンクリートと鉄筋を組み合わせて作る工法
コンクリート系パネル工法のメリット
- 火災に強く延焼しにくい
- 遮音性バツグン
コンクリート系パネル工法のデメリット
- 建築費が高い
- この工法を取り扱っているハウスメーカー少ない
パネル工法というのは低価格で作れるので比較的若い人でも建てやすい事が分かりましたね。
また、パネル工法と一口に言っても3つの種類があります。
自分たちがどんな家に住みたいのか?を想像しながらどこのハウスメーカーや工務店がどんなパネル工法で家作りをしているかをチェックしてみましょう。