狭小住宅をローコストで建てるメリットとデメリット

安くてお得に建てられるローコスト住宅を検討しているけど、駅近くや街の近くなどの立地も考えたいという人は、狭小住宅がオススメです。

狭い土地や真四角ではない土地は駅近くや街の中心部でありながら、破格の値段で売られていることがあります。

でも、なんで立地が良いのに土地が安いの?

何かあるんじゃないの?と不安に思う人もいるでしょう。

もちろん、メリットもデメリットもあります。

メリットは以下の3点です。

  • 良い立地に住むことができる
  • おしゃれな家にできる
  • 税金が安い

また、デメリットは以下の5点になります。

  • 中古になると売れない
  • 家の高さが高いので、耐震性が重要
  • 階段が多くて生活には不便
  • 法的な制限が増える
  • 駐車場や駐輪所の確保が難しい

今回はローコストの狭小住宅について、詳しく解説していきます。

安く素敵で、なおかつ駅近くなどの良い立地の家に住みたい、という方はぜひ参考にしてみてください。

狭小住宅のメリットは3つ

良い立地に住むことができる

狭小住宅の一番のメリットは良い立地の場所に住むことができることです。

では、「良い立地」とはなんでしょう?

良い立地の条件は人によって様々あると思います。

駅の近く、治安が良い地域、街の近く、会社や学校の近く、など様々です。

主に駅の近くは地価が下がりにくく、いずれ売ることがあれば購入した際の地価と変わらずに売ることができる確率が高いです。

さらに狭い土地であれば、価格自体は手が出せる範囲の価格であることが多いです。

良い条件の立地に建てるのであれば、狭小住宅はうってつけです。

おしゃれな家にできる

ローコストの狭小住宅だからこそ、できるオシャレがあります。

土地代が安くなる分、内装や家の中の家具などにお金をかけることができるのです。

キッチンなどの設備やオシャレなインテリアにこだわりたい人、金額は抑えてオシャレにしたい人には狭小住宅はオススメです。

また、広い部屋に高価な壁紙を貼るよりも、狭い部屋に高価な壁紙を貼る方が材料的に安価になるので、同じローコスト住宅であっても、狭小住宅の方が良いと言えます。

税金が安い

家を建てると「固定資産税」と「都市計画税」がかかります。

狭小住宅はその税金も安く抑えることができます。

固定資産税

一般住宅用地(200平米を超す部分):1/3に減額した評価額×税率

小規模住宅用地:1/6に減額した評価額×税率

都市計画税

一般住宅用地(200平米を超す部分):2/3に減額した評価額×税率

小規模住宅用地:1/3に減額した評価額×税率

住宅の税率は土地の大きさで変わってくることが分かります。

土地の大きさで税率が変わるのであれば、狭小住宅は土地も安く、維持費もお得になるということです。

狭小住宅のデメリットは5つ

中古になると売れない

狭小住宅は、土地や住宅自体がいびつであることが多く、建築にあたり多くの制限があるところも多いため、家自体を売却する時も思っていたよりも需要が低い、ということもあります。

また、住宅ローンの審査も通りにくくなり、中古だと売れなくなるのです。

住宅ローンは基本的に不動産を担保設定にすることで融資されています。

しかし、基準としては「土地面積が40㎡以上であること」や「床面積が70㎡以上であること」という文言で制約を設けている金融機関が多いです。

住宅ローンがなかなか通りにくいということになると、購入してくれるのは元々お金を持っている人だけに限られてくるので、なかなか売れないのです。

最近は家を建てる人も、のちのち売却する時のことも考えて購入することが増えているので、いずれ売ろうと思って買うのであれば、狭小住宅は向いていないようです。

家の高さが高いので、耐震性が重要

土地が狭かったり、変形したりしていることが多い狭小住宅は、居住スペースを作るために、2階建てや3階建てになることが多いです。

2階建てや3階建てになると、重要になるのは耐震性です。

通常、縦に長い設計になると、地震が来た時に横揺れしたり、柱が折れたりする危険性があります。

地震のせいで住宅が壊れたりしないように、通常の住宅以上に注意して建築する必要があるのです。

木造住宅であれば、耐震に強い木造構造であればツーバイフォー工法、コンクリート造なども必要になります。

ローコスト住宅の標準装備に入っているものであればいいですが、オプションになると価格も上がってしまう部分もあるので、デメリットとなります。

階段が多くて生活には不便

2階建て、3階建て、もしくはそれ以上の階層になると、生活には不便になります。

高齢者や子どもが住む予定であれば、階層が増えるにつれて階段の上り下りはネックになります。

また、若い人や体力に自信がある人は、住む前に階段の上り下りぐらいなら、と思う人も多いでしょう。

しかし、住む年数が上がるにつれて、住んでいる人の年齢も上がっていきます。

何年住み続けるかによって、階段が体へ与える負荷は大きいでしょう。

また、洗濯物など何かを持っての階段移動することも加味しておかなければいけません。

法的な制限が増える

家を建てる地域によっては、建ぺい率や最低敷地面積を指定されている場所があります。

さらに、一部の地域では高さについての制限がある場所もあります。

高さ制限では、2階建て以上の建物を建てる規制が厳しい地域があるのです。

また、斜線制限という法規制も存在します。

これは近隣の日照条件や通風の確保のために設けられているため、規制がある場所であれば、家の形が変形してしまうこともあります。

土地を購入する前に、ハウスメーカーとよく相談しておかなければ、大損することもあるので、注意が必要です。

駐車場や駐輪所の確保が難しい

家を敷地いっぱいに建てると、今度は駐車場や駐輪場の確保が難しくなります。

車や自転車で通勤や通学する場合は、駐車場や駐輪場は自分の家の敷地内で確保しておかなければ不便でしょう。

しかし、最寄に駐車場を借りたり、家の中に自転車を収納したり、折り畳み自転車のように小さくなるものであれば、そこまで心配はいりません。

また、家の立地が駅の近くで、なおかつ最寄り駅から通勤や通学する場合は問題ありません。

狭小住宅の平均的な建築費

ローコストで狭小住宅を建てる場合、心配なのがやはり建築費です。

15坪1DKの1人暮らしや2人暮らしの住宅の相場を見てみましょう。

 ローコスト住宅メーカー通常の住宅メーカー
15坪1DK510万~1,000万円程度1,000万~2,250万円程度

さらに階層が増えたり、部屋数が増えるとこれ以上になります。

しかし、ローコスト住宅メーカーと通常の住宅メーカーとでは、狭小住宅でも約1,000万円ほどの違いが出てくるのです。

狭小住宅の価格が上がりやすいポイントは3つ

階数が増えると価格が上がる

階数がどんどん増えることで、耐震性の問題で価格が上がることがあります。

2階以上の階数になると、家自体の重さも重くなります。

2階建てで必要な地盤の深さよりも、家の重さが重い3階建ての方が家を支えるための地盤がもっと深く必要になります。

必要な地盤の固さや深さが通常の住宅よりも変わってくるので、コストもかかってくるのです。

また、2階建ての場合は免除されている建築確認の構図計算が3階建て以上の建物になると必須になります。

構図計算が必要になると、構図計算の費用も掛かってきます。

さらに、建物自体の耐震にも注意が必要になります。

従来工法では地震の横揺れには弱いので、木造であればツーバイフォー工法など耐震に強り家の建て方が必要です。

オプション価格で耐震に強い建て方をしているローコストのハウスメーカーであれば、さらにコストがかかるので注意が必要です。

防音対策で価格が上がる

狭小住宅は隣の家との距離が近いので、家の中の音が外にも響きます。

家の音が外に聞こえないようにするためには、防音対策が必須になります。

防音対策をする材料だけでなく、壁自体の幅を変えたり、建て方も考えなければならないので、コストが上がることが多いです。

また、小さな子どもや音が出る楽器などを趣味にしている場合、さらに防音性能も上げておくといいでしょう。

しかし、防音性能を上げると同時に価格も高くなるので、ハウスメーカーとよく相談しておくといいでしょう。

作業スペースの確保で価格が上がる

狭小住宅は小さい土地のほとんどを住宅スペースにして家を建てることが多いです。

土地の大半を住宅にしてしまうと、まず家を建てる際の作業スペースの確保が困難になります。

通常の足場を設置できないので、作業スペースが少ない用の特殊な足場を使うとなるとそれだけでもコストが高くなります

また、作業スペースが少なくても家を作る技術も必要となります。

さらに、作業する職人の方たちの車を止める場所や材料を搬入するトラックなども考慮しなければいけません。

狭い土地では他人の車を何台も停めるスペースはないので、他で駐車場を借りるなど別の費用も発生する可能性があります。

住みやすいローコストの狭小住宅にするポイントは6つ

部屋をたくさん作らない

部屋の仕切りを減らすことで、材料費が減ることになります。

また、狭小住宅の場合、狭い面積に家を建てているので、家が小さく狭く感じることが多いです。

小さい面積で少しでも解放感があるように見えるのは間取りを大きめに取ることです。

間取りを大きめに取ることで、部屋が広く、少しでも住みやすい空間を作ることができます。

シンプルな形状の家にする

狭小住宅だけに限りませんが、家の形自体を凹凸が少ない形にしておく方がコストダウンになります。

あまり凸凹している外観になると、壁の量が増え、塗装も増え、材料費にコストがかかります。

また、凹凸が多い家だと建築作業も真四角の家より作業時間がかかり、職人の方の拘束時間が長くなるので人件費も必然的にアップします。

家を作るときは出来る限り凹凸が少ない形にしてコスト削減した方がいいでしょう。

2階建てにする

基本的に階数が少なければ少ないほどコストがかかりません。

材料費だけでなく、3階建て以上にするには法規制や制約も多く、足場や3階以上に必要な構造計算費などもかかってきます。

家族の人数が少ない人は、出来るだけ2階建てまでにすることをオススメします。

鉄筋コンクリート造にする

耐震が不安な狭小住宅では、木造よりも鉄筋コンクリート造にする方がメリットが多いです。

木造住宅では柱と柱の間の距離が決まっており、部屋の間取りについても大きく干渉する部分になります。

しかし、鉄筋コンクリート造の住宅であれば、柱と柱の間の距離などの制約がなく、広いスペースの間取りを確保しやすいのです。

広いスペースが確保できると、間取りが自由に決めやすく、デザイン性の高い家にすることができます。

また、木造住宅よりも鉄筋コンクリート造の住宅の方が坪単価は安くなります。

木造よりもコンクリートの方が元々の材料単価が安いのです。

さらに、木造での法定耐用年数は33年に比べ、鉄筋コンクリート造の住宅であれば法定耐用年数は70年です。

法定耐用年数が長いと、売却時に購入者が長い年数での住宅ローンを組みやすいという部分もあります。

そして、鉄筋コンクリート造の住宅は防音性能が高いです。

隣の家との距離が近くなりがちな狭小住宅には、鉄筋コンクリート造はうってつけです。

ロフトや地下室を作る

狭い空間をいかに広くするかは狭小住宅にとって最大のポイントです。

少しでもスペースを利用するという点でオススメなのは、地下室とロフトです。

地下室は防音性能が高いので、楽器の演奏や子供部屋にして思い切り遊べるようになど、様々な使い方ができます。

ロフトは収納スペースや寝室として利用できます。

さらに、一定条件を満たしていれば、地下室やロフトは延べ床面積に含まれないというメリットもあるのです。

地下室

3つの条件すべてを満たしていると、床面積の1/3までは延べ床面積に含まれません。

  • 建物の地階にあること
  • 天井が地盤面から1m以下の高さの部屋であること
  • 住宅の用途に供する部分であること
ロフト

3つの条件をすべて満たしていると、延べ床面積に含まれません。

  • 天井の高さが1.4m以下であること
  • ロフトがある階の1/2以下の面積であること
  • はしごが固定されていないこと

以上の条件を満たしていれば、地下室やロフトを作り、スペースを増やすことができます。

狭小住宅でも、スペースを確保しやすくなるのです。

階段下や屋根裏のデッドスペースを活用する

狭小住宅の場合、居住スペースだけでなく収納スペースもデッドスペースを有効活用していった方がいいでしょう。

特に階段下や屋根裏のスペースは物置として利用すれば、季節ものやかさばるものを無理なく収納しておくことができます。

収納スペースを増やせば、部屋の中に収納スペースを作らなくてよくなります。

部屋の中に収納スペースを作らなければ、快適な居住空間を作ることができるのです。

狭いと思われている狭小住宅ですが、スペースを有効活用することで広い部屋にすることもできます。

まとめ

狭小のローコスト住宅は意外とメリットも多かったですね。

デメリットもポイントポイントをきちんと押さえておけば、解消できそうな点も多くありました。

まずは土地を購入する前に、ローコスト住宅のハウスメーカーを探してみてください。

狭小住宅を得意とするハウスメーカーも多くあります。

ローコスト住宅のハウスメーカーと相談しながら、土地の活用方法や空間の活用方法についても考えていきましょう。

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