ローコスト住宅は安く建てられますが、耐久性が気になるところですよね。
この記事では、安さと耐久性を両立させるための方法を5つにしぼってご紹介します。
家全体にお金をかければ耐久性が高くなるのは、簡単に想像できますよね。
しかし予算には限りがあります。
お金をかけるべき部分と、節約してもよい部分をしっかり意識して、プランニングを進めることがとても大切です。
- 安くて耐久性の高い家づくりにはコツがある
- 耐久性の高い家づくりにはメーカー選びも大切
この記事の目次
ローコスト住宅の耐久性を高くする方法5選
ローコスト住宅の耐久性をアップさせるための方法を、5つに絞ってご紹介します。
どれも家づくりの重要なポイントばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
地盤がしっかりとした土地を選ぶ
家の耐久性を高くするには、地盤がしっかりした土地を選ぶことは絶対に欠かせません。
家の下にある土地の地盤が軟弱では、家ごと傾いたり、倒壊したりしてしまいます。
ちょっとした地震が発生したとき、家にダメージがなくても、地盤に問題があれば液状化などの被害にあってしまうでしょう。
知らずに地盤が軟弱な土地を買ってしまわないよう、チェックポイントを押さえておきましょう。
- 水辺を埋め立てた土地
- 傾斜地を造成した土地
- 水に関する漢字が使われた地域にある土地
まずは土地探しをする地域の公式ホームページなどで公開されている、ハザードマップを確認しましょう。
地盤が低く浸水しやすい地域や、土砂災害の危険がある地域がわかります。
水に近い場所や、池や川などを埋め立ててつくられた地域には、とくに要注意です。
傾斜地を造成してつくられた土地の場合、擁壁工事などがプラスで必要なことがあります。
造成地は、最初から平地な土地と比較して、地盤が不安定かもしれないのです。
家の基本性能のグレードは高くする
ローコスト住宅の基本性能に関するグレードを、標準より高くすると家の耐久性アップにつながります。
家の基本性能とは、耐震性や気密性・断熱性などです。
耐震性が高ければ、地震に強くなるので耐久性がアップします。
そして気密性・断熱性の高い家は、生活が快適なのはもちろん、結露の発生を抑えやすくなります。
結露を防ぐとカビの発生も抑えられるので、家の耐久性アップにつながるのです。
そのため、気密性や断熱性のグレードは、できるだけ高い方がよいといえます。
ローコスト住宅は、建築基準法を守って建てられているので、安全性に問題はありません。
しかし法律を守った、最低限のグレードのものと考えておくと失敗を減らせます。
家の基本性能のグレードをアップすると、高額なオプション料金がかかるハウスメーカーは避けるのがおすすめです。
シンプルなデザインの家にする
- 不具合が起きるポイントを少なくできる
- メンテナンスがしやすくなる
これらの理由で、シンプルなデザインの家は耐久性を高くできます。
シンプルな家とは、外観や屋根の形状が複雑ではない、総二階建てなどの家のことです。
例えば屋根の形は、片流れ屋根や切妻屋根のような、シンプルなタイプだとメンテナンス費用を安くできます。
屋根がシンプルだと不具合が起きるポイントが少ないので、補修が必要になるリスクも低くできるのです。
壊れにくく、手入れがしやすければ、家の耐久性は高くなるでしょう。
適切なメンテナンスをする
- 外壁や基礎などは、5年に1度のメンテナンス
- 水回りは、15年ほどでリフォーム
必要なタイミングで、適切なメンテナンスをすれば、家の耐久性をアップできます。
せっかく家の基本性能のグレードを高くしても、適切なメンテナンスがされなければ、性能が発揮されなくなってしまいます。
シロアリなどの害虫対策のメンテナンスも忘れないようにしましょう。
水回りは、日々の手入れが寿命を長くするとされます。
浴室やキッチンなどの汚れを長期間放置しない、日々の乾燥を欠かさないなどの工夫が、使用期間を長くします。
しかし水回りの耐用年数は15年ほどとされるので、15年程度でリフォームするのがおすすめです。
耐用年数をすぎて使い続けると、水漏れなどが起こり、家の耐久性を下げることになるでしょう。
優良なローコスト住宅メーカーを選ぶ
信頼できる住宅メーカーに家づくりを依頼することは、家の耐久性アップのために重要なポイントです。
腕のよい職人を雇って、適切な家づくりをしている住宅メーカーが建てた家は、本来の性能を発揮するでしょう。
反対にいくら設備仕様のグレードを高くしても、施工メーカーに問題があると、家の耐久性には不安が残ります。
極端に安い価格設定のメーカーは、どこかで無理をしてコストカットしている可能性もあります。
相場に近い価格設定のメーカーを選ぶことも大切なポイントといえるでしょう。
ローコスト住宅メーカー選びのチェックポイント
耐久性の高いローコスト住宅を建てるために、メーカー選びはとても大切です。
信頼できるメーカー選びのためのチェックポイントをご紹介するので、参考にしてくださいね。
建設現場を公開している?
気になるメーカーが決まったら、そのメーカーが現場見学会を行っているかどうかを確認しましょう。
現場見学会では、メーカーの職人が実際に家を建てている最中の現場を見学できます。
メーカーの信頼度を直接確認できる機会なので、積極的に参加するのがおすすめです。
- 基礎や断熱材などがどのように施工されているか
- 職人の対応は適切か
- 現場に吸い殻が散乱していないか
基礎や断熱材は家が完成した後は見られない部分です。
現場見学会は、それを直接確認できる貴重な機会なので見逃さないようにしましょう。
職人に直接質問してみるのもおすすめです。
職人と話ができる機会でもあるので、どんどん話を聞いてみましょう。
メーカーに雇われている職人なら、実際にご自身が家を建てるとき施工するのも、同じ職人である可能性が高くなります。
その職人とは、アフターメンテナンスまでお付き合いが続くことも考えられます。
自然とチェックの目も厳しくなるのではないでしょうか。
華やかなモデルハウスや、完成見学会などは注目されやすいものですが、現場見学会も大切なイベントといえますね。
アフターメンテナンスはしっかりしている?
家が完成した後のメンテナンスは、メーカーによって違いが出るので、しっかりチェックするべきポイントです。
家の耐久性は、アフターメンテナンスにかかっているといってよいでしょう。
とくにローコスト住宅メーカーは、コストカットのため人件費をぎりぎりまでカットしていることがあります。
アフターメンテナンスにまで手が回っていないこともあるので、「しっかりしているだろう」と油断するのは危険です。
なお、メーカーで職人を雇っていると、早めにメンテナンス対応してもらえる可能性が高くなります。
そのメーカーの、より正確な情報は、先輩施主の口コミを確認するのが安心です。
メーカーが発信する情報より、実際の施主の声の方が信頼できることが多いためです。
工期は適切な期間?
ローコスト住宅(木造)の平均施工期間は、約3か月です。
工期がこれより極端に短い設定のメーカーには注意しましょう。
住宅の価格に相場があるように、工期にも適切な期間があります。
あまりにタイトなスケジュールで建てられた家は、適切な期間で建てられた家よりトラブルが発生する確率が高くなるでしょう。
メーカーが工期を短くしたがる理由は、その方がコストカットできるためです。
工期が短いほど、人件費や運営費が安く済むので、ローコストになります。
早く入居できることはメリットのようですが、極端に短い工期のメーカーは避けるのが無難です。
規格プランの家は好みのテイスト?
ローコスト住宅メーカー探しのとき、そのメーカーの施工事例は必ずチェックしましょう。
あまりに好みのテイストからかけ離れた家が多いと、耐久性アップのための予算が足りなくなるかもしれません。
好みのテイストに近くするために、オプション料金がかさむためです。
家の外装や内装は目に見える部分なので、どうしてもこだわりたくなるのではないでしょうか。
しかし家の耐久性に大切なのは、気密性や断熱性など、家の基本性能に関わる部分なのです。
基本性能にかける予算を確保しやすくするために、好みのデザインの施工事例が多いメーカーを選ぶことをおすすめします。
どのような方法でローコストを実現している?
誠実な方法でローコストを実現しているメーカーを選ぶと、安くても耐久性の高い家づくりを成功させやすくなります。
優良なローコスト住宅メーカーには、高品質な家づくりをローコストにするためのからくりがあるのです。
使用する材料が粗悪、工期を短縮して手抜き工事をしてるなどの理由で、ローコストにしているメーカーでないことをしっかり確認してくださいね。
まずはどのような方法で安く家を建てているのか、メーカーに聞いてみましょう。
先輩施主の口コミを確認するのもおすすめの方法です。
誠実な安さのからくりにはどのようなものがあるのか、次の章でご紹介するのでお役立てください。
優良なローコスト住宅メーカーの安さのからくり
しっかりした理由もなく、安く家を建てるメーカーを選ぶのは危険かもしれません。
優良なローコスト住宅メーカーが、ローコストを実現している方法をご紹介するので、安全なメーカー探しにお役立てください。
規格住宅を提案している
- 打ち合わせ時間を短縮できる
- 材料費の単価を安くしやすい
- 工期を短くしやすい
提案しているのが規格住宅であることは、ローコスト住宅の安さの大きな理由です。
規格住宅だと、限られた選択肢から仕様を選ぶ方法でプランニングが進められます。
そうすれば、打ち合わせにかかる時間を節約できるので、人件費を節約できます。
さらに、家づくりの材料もパターン化されるため大量発注ができ、材料の単価を下げられるのです。
家づくりのパターンがある程度決まっていると、施工の手間も最小限にできるため、工期も最短にすることができます。
工期が短ければ、職人の人件費なども安くできるからくりです。
これらの理由がなく、極端にローコストな住宅メーカーには注意が必要かもしれません。
仕様や設備のグレードが最低限
ローコスト住宅に使われている設備は、最低限のグレードのものである可能性が高いといえます。
ローコストでハイグレードは難しく、相応のグレードになると考えましょう。
そのため気密性や断熱性など、家の耐久性に関わる部分には、とくに気を付けるべきといえます。
家の基本性能に関わる部分は最低限のグレードよりアップさせた方が、耐久性を高くしやすくなります。
しかし、水回りや電気などの設備に関しては、最低限のグレードでもそれほど不自由がないことも少なくありません。
むしろ余分な機能はない方が、使い勝手がよくなることもあります。
設備はメリハリある予算の使い方をすると、効率よくローコスト住宅の耐久性を高くできるでしょう。
広告費を削減している
ローコスト住宅メーカーのなかには、過剰な宣伝をおこなわないことで安さを実現しているところもあります。
モデルハウスはメーカーの宣伝のために建てられる家ですが、少なからず経費がかかります。
その回収分は、建築費用に上乗せされていると考えられます。
モデルハウスを持たないメーカーなら、余分な上乗せをされる可能性を低くしやすくなるでしょう。
モデルハウスは、家づくりを考える方の多くが見学するものです。
立派なモデルハウスを見ると、魅力的なメーカーだと感じてしまいますよね。
しかし最小限の宣伝をしているメーカーの方が、ローコストを実現している可能性が高いのです。
我が家のメーカー選びについて
我が家が家づくりのときに選んだのは、地域密着の工務店(以下、工務店A)です。
- 自社で職人を雇っている
- 現場見学会を開催している
- モデルハウスはない
- 完成見学会を開催している
工務店Aの大きな特徴は、施主との距離感がとても近いことです。
それこそが契約の決め手でした。
距離感に関しては、地域密着の小規模な工務店だからこその特徴といえるでしょう。
少人数制のイベントをよく開催するので、話しやすい環境が整っていました。
そのため職人と直接話す機会も多く、契約までにはすっかり信頼できる工務店になっていたのです。
実際に完成後に不具合が出たときのレスポンスがとても速く、対応に不満を感じたことはありません。
工務店Aが雇っている職人が施工していることも、レスポンスの速さに大きく関係しているようでした。
地元の現場で作業中の職人が、短時間の補修のために我が家に寄ってくれたりもします。
メーカー選びの価値観には個人差がありますが、有名な大手より、小回りのきく地元工務店の方がコスパがよくなると感じました。
まとめ
ローコストでも耐久性の高い家づくりには、いくつかのポイントを抑える必要があります。
ご紹介した耐久性をアップさせるための5つの方法は、家づくりにとって大切なものばかりです。
できるだけ多くを実践すると、ローコストかつ耐久性の高い家づくりを成功させやすくなるでしょう。
また施工メーカー選びを慎重にすることも、耐久性の高い家づくりには欠かせません。
失敗すると、せっかくポイントを押さえていても、家の耐久性を高く保つことは難しくなってしまいます。
信頼できる方法でローコストを実現している、優良なメーカー選びをしてくださいね。