この記事では、ローコスト住宅のメンテナンス費用をできるだけ安くするための方法を、6つご紹介します。
ローコストに家を建てられても、メンテナンス費用が高いなら、長い目で見ると損になるかもしれません。
実は、メンテナンス費用を安くするためには、ローコスト住宅のプランニングの段階から工夫する必要があります。
暮らし始めてから気を付けるべきポイントもご紹介するので、お得な家づくりにお役立てください。
- メンテナンス費用が安い家づくりの方法6つとは?
- 長期優良住宅はメンテナンスしやすい家
この記事の目次
ローコスト住宅のメンテナンス費用を安くする6つの方法
ローコスト住宅を建てたあとの、メンテナンス費用を安くする方法をご紹介します。
ローコスト住宅は、なにも知らずに建てるとメンテナンス費用が高くなりやすいので、早めの段階から意識するのがおすすめです。
高気密・高断熱な仕様にする
ローコスト住宅を高気密・高断熱にすると、将来のメンテナンス費用を安くしやすくなります。
気密性・断熱性が高いと、家を結露から守れるためです。
湿気が多いと、木材腐朽菌が活発になり、家の劣化を早めてしまいます。
また気密性・断熱性は、木造住宅の天敵であるシロアリから家を守るためにも欠かせません。
家の劣化が早いと、メンテナンス作業が大変になり、費用が高くなるでしょう。
高気密・高断熱は、快適な暮らしのために欠かせませんが、家の寿命のためにも重要であることがわかりますね。
屋根や外壁のグレードを高くする
屋根や外壁のグレードを高くすると、メンテナンス費用を節約しやすくなります。
家づくりの材料は、価格が高いほど劣化を遅らせることができるのです。
屋根や外壁は風雨にさらされるので、劣化しやすい部分ですよね。
劣化が進むとメンテナンス費用は高くなってしまうので、とくに家の外観グレードは高くするのがおすすめです。
ローコスト住宅は建築費用を抑えるために、屋根材や外壁のグレードは最低限を標準としていることもあるでしょう。
外観グレードを高くすると、建築費用はコストアップします。
しかし将来的なメンテナンス費用を考えれば、コスパよい選択になるでしょう。
不具合は早く補修する
ローコスト住宅に不具合が発生したら、できるだけ早めにメンテナンスを依頼すると、費用を安くできます。
メンテナンス費用は、補修部分のダメージが小さいほど安く済むためです。
小さな不具合を放置すると、家の構造部分にまで浸透してしまうかもしれません。
とくに水回りの不具合は危険です。
放置すると、水が家構造部まで広がり、シロアリが集まってきてしまいます。
さらに感電や火災につながることもあるのです。
できるだけ早くメンテナンスを依頼することは、費用節約のためだけではなく、安全のためにも欠かせません。
掃除ポイントを押さえる
- バルコニーの排水口
- キッチンや浴室の排水口
- パッキンを乾燥させる
- 外壁やクロスの汚れ
ローコスト住宅は、掃除するべきポイントを押さえてお手入れをすると、メンテナンス費用を安くしやすくなります。
いつも家全体をきれいに保つのは大変なので、掃除にはメリハリをつけましょう。
とくにマメなお手入れがおすすめなのが、水回りにある排水口です。
水がスムーズに流れなくなると、水はけが悪くなってしまいます。
そうすると家が傷む原因になる、湿気にさらされやすくなるでしょう。
また水回りのパッキンは、できるだけ乾燥させる時間を長くすると長持ちします。
キッチンのつなぎ目などは、洗い物のたびにきちんと拭くのがおすすめです。
メンテナンスのタイミングをまとめる
家のメンテナンスは、タイミングをまとめるとお得にしやすくなります。
外観メンテナンスには、足場を組む必要がありますが、それにも費用がかかります。
屋根や雨どい、外壁のメンテナンスを1度に済ませてしまえば、足場を組む回数を節約できます。
屋根も外壁も、新築後10年程度でメンテナンスするのが一般的なタイミングです。
その機会に、雨どいのメンテナンスも済ませるとお得ですよ。
保証などがしっかりしたメーカーを選ぶ
アフターメンテナンスなどの保証がしっかりしたメーカーを選ぶと、メンテナンス費用は節約しやすくなります。
適切なタイミングでメンテナンスを受けることが大切とわかっていても、メーカーが対応してくれないのではどうしようもありません。
ローコスト住宅メーカーのなかには、人件費を節約するため、ぎりぎりの人員しか雇っていないところもあります。
人員が不足していれば、適切なタイミングでのメンテナンスに対応することが難しくなるでしょう。
気になるメーカーの実態を知るには、そのメーカーの先輩施主の口コミを参考にするのがおすすめです。
ホームページなどに掲載されることのない、メーカーの本当の姿を知ることができるでしょう。
ローコスト住宅メーカー選びのコツ
ローコスト住宅のメンテナンス費用を安くするためには、メーカー選びを慎重にする必要があります。
個人でできる工夫もありますが、ハウスメーカーに問題があれば、メンテナンス費用は余分にかかるかもしれません。
注意するべきポイントをみてみましょう。
仕様変更にかかる料金を確認する
ローコスト住宅のプランニングでは、仕様変更をすると高額なオプション料金がかかることがあります。
契約前にきちんと確認しましょう。
家の劣化を防ぐため、気密性や断熱性に関する仕様は、グレードアップするのがおすすめです。
しかし、グレードアップに高額なオプション料金がかかるようでは、予算オーバーになってしまいますよね。
ローコスト住宅メーカーは、建築基準法を守った家づくりをしていますが、ハイグレードな仕様ではないと考えましょう。
これはローコストを実現するためには、仕方のないことといえます。
家の性能に関するグレードは高く、関係のない装飾などは標準にして節約するなどのメリハリが大切です。
このようなプランニングに対応しているメーカーを選ぶと、メンテナンス費用は安くしやすくなるでしょう。
レスポンスが早いメーカーか確認する
質問や要望に対するレスポンスが早いメーカーは、適切なタイミングでメンテナンスをしてくれる可能性が高いといえるでしょう。
家が完成して暮らし始めると、急な不具合に対応してもらう事態になることもあります。
そのようなとき対応が遅いと、劣化が進んでしまうこともあります。
早いタイミングで、不具合のメンテナンスをしてくれるメーカーを選ぶことが大切です。
契約前はレスポンスが早かったのに、契約した途端に遅くなることもあり得ます。
メーカーで家を建てた先輩施主の口コミを参考にしましょう。
なお、自社で職人を雇っているメーカーは、レスポンスが早くなる傾向があります。
信頼できる職人を雇っているか確認する
そのメーカーがどのような職人を雇って家づくりをしているのか、確認するのがおすすめです。
いくらプランニングをしっかりしても、実際に家を建てる職人の技術に問題があると、本来の性能が発揮されず家の劣化が早くなってしまいます。
メンテナンス費用を安くするためにグレードアップしたのに、性能が発揮されないのでは納得できませんよね。
自社で信頼できる職人を雇っているメーカーであることを確認するには、現場見学会に参加するのがよいでしょう。
何回か見学会に参加するうちに、本当に信頼できる職人かがわかってきます。
長期優良住宅を検討するのもおすすめ
適切なタイミングでメンテナンスを受けながら、長期間住み続ける家を建てるなら、長期優良住宅を検討するのもおすすめです。
長期優良住宅とは、長期間住み続けられる家であることを、国が認定した家のことです。
いくつかの基準を満たすことで、認定が受けられます。
長期優良住宅はメンテナンスが義務
長期優良住宅は維持保全計画を作成して、その計画通りにメンテナンスをして補修することが義務付けられています。
どのようなメンテナンスをどのタイミングでおこなうか、あらかじめ決めて、それを実行するということです。
これをスキップすると、認定を取り消されるなど罰則の対象になります。
家に具体的な不具合がないからメンテナンスをしない、というわけにはいかないのです。
このシステムのおかげで、不具合が起きることを防ぎ、メンテナンス費用を最小限にすることができます。
虫歯になる前に、歯科検診を受けることと似ていますね。
長期優良住宅は慣れたメーカーに依頼
ローコスト住宅メーカーでも、長期優良住宅に対応しているところが増えてきています。
しかし本当に長期優良住宅に慣れたメーカーであるかどうかは、確認したほうがよいでしょう。
本当はほとんど経験がないのに、契約を逃したくなくて、慣れているふりをするメーカーもあるかもしれません。
長期優良住宅の認定を受けるには、たくさんの書類申請が必要です。
タイミングを間違えると、認定が受けられないこともあるので、慣れていることがとても大切です。
- 我が家が依頼したメーカーは、長期優良住宅の施工事例が多かった。
- そのため、適切なタイミングでどんどん手続きを進めてくれた。
- 施主が管理して、認定手続きを進めるのは現実的ではない。
我が家の費用バランスの考え方
我が家の考える長期優良住宅のメリット
- 世代交代しても安心して暮らせる家にできる
- メンテナンススケジュールが決まっているのでラク
- メンテナンスが強制的なら家がいつも健康
長期優良住宅は、維持保全計画に従って強制的にメンテナンスが受けられるので、家をいつも健康な状態に保てます。
定期的なメンテナンスを受けることで、家の寿命は長くしやすくなるでしょう。
人間が病気になる前に健康診断を受けるのと同じで、家も定期メンテナンスをすることが大切なのです。
わかってはいても、不具合が発生する前に、自発的にメンテナンスを依頼するのは難しいことも多いでしょう。
最初にメンテナンス計画が決められていることは、我が家にとってメリットでした。
長期優良住宅のデメリット
- 認定を受けるための費用が約30万円かかる
- 点検のたびにかかる費用は施主負担
- 点検は義務
強制的にメンテナンスされることは、長期的に家の健康を保つために大切なことです。
しかしメンテナンスのたびに発生する費用負担が施主であることに不満を持つ方も少なくありません。
しかも点検は義務なので、守られなければ罰則や認定取り消しを受けることになります。
不具合がないのにメンテナンスが必須なことや、費用負担があることは、一時的に考えれば損をしているように感じられるかもしれません。
しかし不具合が発生してから補修することは、費用面・家の寿命、どちらにとってもプラスにはなりません。
世代交代するときに建て替える予定のローコスト住宅なら、長期優良住宅のメリットは感じにくくなります。
ご家庭の予定や価値観によって、長期優良住宅に対する考え方は分かれるでしょう。
まとめ
メンテナンス費用を安くするため大切なのは、不具合が発生しにくい設計にすること、適切なタイミングでメンテナンスを受けることです。
湿気は家の天敵です。
湿気から家を守りやすい設計にすることは、最優先したいポイントといえるでしょう。
そして大きな不具合が発生する前に、こまめな点検をすることも欠かせません。
そのため、メンテナンスしやすい工夫をすることも大切です。
メンテナンスにきちんと対応してくれるメーカーを選ぶことも、その工夫の1つと考えられます。
メンテナンス費用節約は、家づくりのスタート地点から始まっているのです。