この記事では、「住宅性能評価書」について取得費用や評価書があるとどんなメリットがあるのか?デメリットは何か?を紹介します!
購入したマイホームに欠陥があったらどうしよう・・。マイホームを買うときに誰しもが不安に感じることですよね。
私も住宅展示場でいろいろな家を見ているときに「もしも、この家が欠陥住宅だったら・・」と必ず頭をよぎっていました。
営業マンは、「この物件は、大丈夫です!万が一、何か不備があってもすぐに対応致します」なんてセールストークで売ろうとしてきますからね。
そんな売りたがり営業マンの100倍は信用できるのが「住宅性能評価書」です。
では、「住宅性能評価書」について、これから詳しくお伝えをしていきますね。
この記事の目次
住宅性能評価書とは?
「住宅性能表示制度」に基づいてあなたが購入する家はどんな性能なのか?を評価した評価書になります。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」に基づいた制度です。
住宅品質確保法は、次の2つが大きな柱になっています。
- 新築住宅における瑕疵担保期間の10年の義務化
- 住宅性能表示制度(新築住宅・既存住宅)(任意)
参考:消費者庁
必須の性能評価は4分野9項目
住宅性能評価としては10分野32項目があります。その中で必須項目に挙げられている4項目について説明していきますね。
必須項目以外については、その都度任意で追加評価することもできます。(別途費用が必要)
構造の安定
地震が起きたときに、住宅が倒壊や崩壊・損傷しないかどうかを3段階の「耐震等級」で評価します。
- 耐震等級3:極めてまれに(数百年にいちど程度)発生する地震の1.5倍まで倒壊・崩壊・損傷しない耐震性
- 耐震等級2:極めてまれに(数百年にいちど程度)発生する地震の1.25倍まで倒壊・崩壊・損傷しない耐震性
- 耐震等級1:極めてまれに(数百年にいちど程度)発生する地震で倒壊・崩壊・損傷しない耐震性
劣化の低減
住宅の構造部に使用する材料を交換や大規模改修工事が必要な期間を3段階の「劣化対策等級」で評価します。
- 劣化対策等級3:通常想定される自然条件及び維持管理のもと3世代(おおむね75年〜90年)までの期間は劣化対策されている
- 劣化対策等級2:通常想定される自然条件及び維持管理のもと2世代(おおむね50年〜60年)までの期間は劣化対策されている
- 劣化対策等級1:建築基準法に定められている劣化対策が施されている
維持管理・更新への配慮
給排水管や給湯管・ガス管の維持管理が簡単に行える対策がされているかを3段階で評価します。
- 等級3:掃除口及び点検口などが設けられており、簡単に維持管理が行える配慮がされている
- 等級2:配管をコンクリートに埋めないなどの配慮がされている
- 等級1:その他(配慮なし)
温熱環境・エネルギー消費量
夏涼しく・冬暖かいといった住宅の断熱化がどの程度対策されているかを4段階で評価します。
- 等級4:熱損失を防ぐ対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が施されている
- 等級3:一定の熱損失を防ぐ対策が施されている
- 等級2:小さな熱損失を防ぐ対策が施されている
- 等級1:その他(対策なし)
また、住宅性能評価を実施すると、設計図などをもとに評価する「設計住宅性能評価書」と、住宅の建設着工後4回に分けて評価を行う「建設住宅性能評価書」の2つが発行されます。
設計段階での評価が「設計住宅性能評価書」
「設計住宅性能評価」は評価項目に対して、設計図段階でどの程度の性能があるか?を第三者機関の評価員が評価します。
住宅建設時の評価が「建設住宅性能評価書」
「建設住宅性能評価書」は設計住宅性能評価を受けた住宅が設計図通りに施工されているか?を第三者機関の評価員が評価します。
評価するタイミングは次の4回に渡って確認されます。
- 基礎配管工事が完了したとき
- 躯体(家の骨組み)工事が完了したとき
- 内装下地張りをするまえ
- 竣工(家が完成)したとき
住宅性能表示制度を利用するかしないかは任意で判断する
住宅品質確保法で、新築住宅は10年間の瑕疵担保期間が義務付けられています。
だから、もしも10年間のうちに欠陥が見つかった場合、売り主が賠償責任を負わなければいけません。
しかし、住宅性能表示制度の利用は任意です。
新築住宅を建てるときに「住宅性能評価書」を取得しても取得しなくても構いません。
そのため、住宅性能表示制度の普及率の推移をみて分かる通り、新築住宅で住宅性能評価書を取得しているのは約20%です。
なぜ新築住宅を建てる8割の人が住宅性能評価書を取得しないのか?
住宅性能評価書の存在を知らない
私は新築一戸建ての建売住宅を購入しました。
しかし、実際に家を購入するまでは「住宅性能評価書」の存在自体を知りませんでした。
住宅性能評価書を取得する費用が約20万円掛かる
東日本住宅評価センターの住宅性能評価料金表によれば、住宅の延べ面積によって上下しますが、だいたい約20万円の費用が必要になります。
住宅性能評価書を取得するには20万円程度の費用が掛かるんです。
- そもそも「住宅性能評価書」がなんなのか?よく分からない
- 住宅性能評価書を取得するのに費用が必要
だから、新築住宅を建てる人が住宅性能評価書を取得しない理由はメリットもよく分からなくて費用も掛かるからなんです。
住宅性能評価書を取得するメリットは?
20万近くの費用を捻出してまで取得する「住宅性能評価書」にはどんなメリットがあるのか気になりませんか?
住宅性能評価書のメリットを4つまとめましたので、見てみてください。
地震保険が割引される
地震が頻繁に発生する日本にマイホームを建てるなら、地震保険は必須ですよね。
大地震が起きてしまってからでは遅いので、新築住宅を建てた同僚たちもみんなそれぞれ地震保険に加入しています。
そして、住宅性能評価書で耐震等級を評価してもらえると等級に応じた割引率が適用されるんです。
耐震評価 | 割引率 |
---|---|
免震建築物 | 50%割引 |
耐震等級3 | 30%割引 |
耐震等級2 | 20%割引 |
耐震等級1 | 10%割引 |
万が一の住宅トラブルがあっても国土交通大臣が指定する住宅紛争処理機関が対応してくれる
万が一欠陥住宅を買わされてしまった場合、どうすればいいのか?途方に暮れちゃいますよね。
欠陥が見つかり、売り主の不動産業者と話をしても解決しない場合、住宅性能評価を実施した住宅なら「無料で弁護士や建築士と相談」することができます。
無料相談だけではなく、あなたがお住まいの都道府県にある弁護士会の専門家(弁護士・建築士)へ紛争処理を依頼できちゃいます。
しかも、掛かる費用は申請料の1万円のみ。
「1万円ぽっきりで飲めますよ」なんて、キャッチのお兄さんに言われたら怪しさ満点ですよね。
しかし、住宅性能評価の場合は、国土交通大臣が指定する住宅紛争処理機関が対応してくれるので1万円ぽっきりで紛争処理を申請できます。
欠陥住宅を買わされるリスクを低減して安心を得られる
住宅性能評価書を取得しなくても、住宅を建てることはできます。
しかし、一生に一度の買い物と言われている「マイホーム」だからこそ、欠陥住宅のリスクを減らし安心して住宅を建てたいですよね。
まとめ
住宅性能評価書を取得したからと言って、100%安心はできません。
しかし、マイホーム購入で抱える数多くの心配事を少しでも軽減してくれる助けにはなってくれました。
あなたがもし住宅の性能について不安を抱えているならば住宅性能評価の実施を検討してみてはいかがでしょうか。