この記事では、ローコスト住宅が安い家づくりを実現できる理由について解説します。
安いとはいっても、家づくりには大きな費用がかかるため、きちんとした理由もなく安いのでは不安になってしまいますよね。
優良なローコスト住宅メーカーが安く家を建てられる理由をご紹介するので、お得な家づくりに役立ててくださいね。
この記事の目次
ローコスト住宅が安い理由3つとは?
ローコスト住宅メーカーが、一般的なハウスメーカーと比較して安く家を建てられる理由は主に3つあります。
3つの理由に共通しているポイントは、ローコスト住宅は家づくりを規格化しているという点です。
規格化するとなぜローコストが実現できるのでしょうか。
材料仕入れの工夫をしている
ローコスト住宅は、家の外観や間取りを規格化することで、効率よい材料の仕入れを可能にしてローコストを実現しています。
まず、外観や間取りの選択肢を数種類に絞ることで、使用する材料のパターンを少なくします。
その結果、限られた種類の材料を大量に仕入れることとなり、材料の仕入れ単価を下げられるので安い家づくりができるという仕組みです。
「1つだけ購入するより、まとめ買いした方が1つあたりの単価が下がる」という、よくあるからくりは、家づくりの材料についてもいえることなのです。
人件費がかからないよう工夫をしている
ローコスト住宅は、家づくりを規格化することで、職人の人件費や営業担当者の人件費を節約してローコストを実現しています。
まず職人の人件費は、現場での作業負担を軽減することで節約しています。
規格化された設計通りに、あらかじめ材料を工場で加工することで、現場での手間を少なくしているのです。
複雑な工程を現場ごとにこなす必要がなくなるため、高度な技術料を職人に支払う必要がなくなるという仕組みです。
次に営業担当者の人件費は、宣伝活動を最小限にする、家づくりの打合せにかかる時間を短くするといった方法で節約しています。
限られたパターンの中から選択して進められるプランニングは、所要時間を短くできるというメリットもあるのです。
打合せにかかる時間が短ければ、その分の人件費を節約できるという仕組みです。
諸経費を節約する工夫をしている
ローコスト住宅は、立派なモデルハウスを持たない、外部発注を少なくするなどの方法で、ローコストを実現しています。
まずモデルハウスとは、メーカーが宣伝のために建築する家のことですが、これにも費用がかかっています。
さらにモデルハウスには営業担当者を配置する必要もあるため人件費も必要になるでしょう。
ローコスト住宅メーカーは、これらモデルハウスにかかるコストをカットすることで、安い家づくりにつなげています。
次に外部発注とは、電気や水道の工事を指します。
家づくりには家本体の施工の他に、電気や水道の工事も必要ですが、それらを外部発注するとその分コストがかかります。
ローコスト住宅メーカーは、これらも極力自社で行うことでローコストを実現しているのです。
ローコスト住宅のメリットとは?
ローコスト住宅で家を建てることの大きなメリットは、建築費が安く済むことです。
安く家が建てられることは単純にうれしいものですが、長期的に考えてもメリットがあります。
家づくりの際には、住宅ローンを組むのが一般的ですが、建築費が安ければ借入額も少なく済むでしょう。
借入額が少額なら、月々の返済負担を減らしたり、短期間での完済を目指すこともできます。
家の建築費が安ければ、経済的にも精神的にも楽に戸建て住宅に住むことが叶うのです。
ローコスト住宅のデメリットと対策とは?
ローコスト住宅は安く家が建てられると人気ですが、デメリットもあります。
具体的なデメリットを知って対策すれば、さらにコスパ良い家づくりがしやすくなるので、ぜひ参考にしてくださいね。
基本性能に関わる設備グレードが低い可能性がある
ローコスト住宅を選ぶことには、断熱性や気密性など、家の基本性能に関わる設備グレードが低い可能性があるというデメリットがあります。
高品質でローコストを実現することは難しいため、設備グレードは最低限のものが選ばれるケースが多いのです。
基準を満たして建てられる家であるため、安全性には問題ありませんが、断熱性や気密性は快適な暮らしに直結します。
断熱性が低いと、外気の影響が室内に伝わりやすくなり、エアコンを強く稼働させることが必要になります。
そして気密性が低ければ、せっかく快適にした室内の空気が外へ逃げやすくなり、エアコン効率が悪くなるでしょう。
このように家の基本性能が低いと、快適な暮らしのため光熱費が高くなる問題があります。
対策
- 断熱性・気密性・耐震性など家の基本性能はグレードアップする
規格以外の施工は割高になる可能性がある
家づくりのプランニングで規格外の施工を選択すると、建築費が割高になる可能性が高い点は、ローコスト住宅を選ぶことのデメリットです。
家づくりを規格化することは、ローコスト住宅が安さを実現するための大切なポイントであるため、それ以外のことを依頼すると一般的なハウスメーカー以上に割高になるケースもあるでしょう。
例えば屋上がある家、地下室がある家などを希望する場合は、それらを標準として施工しているメーカーでなければ、ローコストに家を建てることは難しくなります。
対策
- 特殊な希望がある場合は、それを標準として施工しているローコスト住宅メーカーに依頼する
アフターメンテナンスが行き届かない可能性がある
ローコスト住宅を選ぶと、アフターメンテナンスが充実していない可能性があるというデメリットがあります。
ローコスト住宅メーカーは、人件費を節約するため自社で職人を雇っていない、最小限の人数で対応しているなどのケースがあるためです。
そのため何か不具合が起きても、対応してもらえるまでに時間を要する場合もあるでしょう。
家の不具合は補修までに時間がかかると、その分ダメージが進行してしまい、修理時間や費用がかさむこともあります。
対策
- 自社で職人を雇っているメーカーを選ぶ
- 地元に密着しているメーカーを選ぶ
ローコスト住宅プランニングのコツをご紹介
信頼できる方法でローコストを実現しているメーカーを選ぶことの他に、ローコスト住宅をプランニングする際のコツをご紹介します。
少しの工夫や我慢で、さらにコストを抑えることができる可能性があるので、プランニングにお役立てください。
外観や間取りをシンプルにする
家のつくりをシンプルにすることは、効率よくコストダウンさせるための方法として知られています。
外観と間取りに分けて、ポイントを見てみましょう。
家の外観プランニング
- 家の形はシンプルな立方体を選ぶ
- 屋根の形は片流れ屋根や切妻屋根を選ぶ
家の外観をシンプルにすると、使用する材料が少なく済み、さらに施工にかかる職人の手間を減らすことができるので、コストカットにつながります。
間取りのプランニング
- 仕切りの少ない間取りを選ぶ
- 集中型の収納を選ぶ
- 廊下が少ない間取りを選ぶ
間取りに仕切りが少なければ壁やドアの施工が減るので、その分の材料費や職人の手間をカットできコストダウンにつながります。
同じ理由で、各部屋にクローゼットや押し入れのような収納がなければ、仕切りや建具をその分減らせるので節約になります。
また廊下は部屋ではありませんが壁紙などは貼るのが一般的であり、その分のコストが必要です。
ホールで各部屋をつなぐなどの工夫がされた間取りを選ぶと、廊下の施工にかかる費用をカットすることができてお得です。
水回りが集中した間取りを選ぶ
水回りを1か所に集中させた間取りを選ぶと、使用する配管や施工の手間を最小限にできるため、コストカットにつながります。
浴室やトイレ、キッチンなどはできるだけ近く、さらに1階と2階にトイレがある場合は、各フロアでだいたい同じ場所に作ると効率的です。
- お湯を出す際、どこかの蛇口でお湯を使っていると、他の蛇口からもすぐにお湯がでるので効率が良い
- 1階と2階のトイレの位置を合わせたおかげで、配管効率がよく、水を流す音が他の部屋へ伝わらない
メリハリある予算の使い方をする
家づくりでとくに大切にするポイントを絞り、その部分に費用をかけるようプランニングすると、後悔の少ない家づくりができるのでおすすめです。
建築費を安くすることを最大の目的としてしまうと、いざ家が完成したときに物足りなさを感じてしまう可能性があります。
こだわりの玄関、こだわりのリビングなど、家の見せ場を作ると「愛着ある我が家」を建てられるでしょう。
見せ場以外できちんとコストダウンして、メリハリある予算の使い方をするのが、ローコスト住宅をプランニングする際のコツです。
まとめ
ローコスト住宅の安さの理由がわかれば、安さが理由で危険な家になってしまう心配はいらないことがわかります。
しかし品質に問題はないものの、安さが理由で融通が利きづらかったり、ランニングコストがかかりやすかったりといったデメリットもローコスト住宅にはあります。
大切なのは、信頼できる方法でローコストを実現しているメーカーを選び、必要に応じてグレードアップをすることです。
そのメーカーが実際にどのような家を建てるのか、どのような職人を雇って建てているのかなど、契約前にリサーチを徹底すると後悔が少ない家づくりができるでしょう。