街を歩いていると目にする事が多くなった「太陽光パネル」。
太陽光で電気を作る事が出来て、環境にいいと言われています。
そんな太陽光パネルを自分の家に付ける、というのが近年定着しつつあります。
なぜなら、太陽光パネルを付けるだけで何かとお得になるから。
また、ローコスト住宅でも設置できるので、そういった層の人にも人気です。
では、具体的にどんな所がお得で人気なのでしょうか?
今回は、太陽光パネルを設置する時のポイントやメリット・デメリットをまとめてみました。
この記事の目次
太陽光パネルを設置するメリットは5つ
まずは太陽光パネルを付けるメリットを5つ紹介していきます。
パネルを付けるだけで、金銭面だけではなく、住みやすい家にもなるんです。
遮熱・保温性が向上する
1つ目は太陽光パネルを設置する上であまり語られないメリットです。
それが遮熱性・保温性がアップする事です。
暑い夏は太陽光パネルがあるだけで、室内が2~5℃涼しくなるのです。
これはパネルが太陽光を集めてくれるので、室内まで暑い熱が入って来辛くなるのです。
また、寒い冬にはパネルがあると、5℃ぐらい保温効果があると言われています。
日中はパネルがあるので、室内の温度は低くなりがちになってしまう事があります。
ですが、家族が集まる時間が長い夜には保温性がアップするのです。
それは日中にパネルによって集められた室内の熱が、パネルがある事によって逃げ辛くなっているからなんです。
更に、一番寒い朝方もパネルがないのと比べると暖かいので、目覚めるのが苦痛ではなくなるという効果もあるのですよ。
エアコンやストーブの使用頻度が減ることにも繋がる、というメリットもあります。
特にローコスト住宅はメーカーによっては、断熱材を標準仕様ギリギリまで抑えている所もあるので、大きなメリットですよね。
電気代が安くなる
太陽光パネルを設置しようと考えている人は、この電気代が安くなる事に1番期待をしているのではないでしょうか?
その期待には十分に応える事ができますよ。
なぜ電気代が安くなるのかというと、電気会社から買う予定だった電気を太陽光で賄えるので、電気代が浮くのです。
そして電気代が浮くだけではないのです。
実はどこの家庭でも、毎月の電気使用料金に加えて「再エネ賦課金」という料金も払っているのです。
再生可能エネルギーを普及させる為の費用の事です。
2021年度だと1kwh辺り3.36円になっていて、1年間で9000円近くの金額を負担しています。
ですが太陽光パネルを設置すれば、電気使用量が減るので結果的に、この再エネ賦課金も削減する事が出来ます。
節電意識が高まる
太陽光パネルを設置すると、家の中に太陽光がどの位発電したか?売電価格にするといくらか?などの情報が見えるモニターが付いてきます。
また、ハウスメーカーによってはアプリからもチェックする事が出来ます。
このモニターやアプリでの見える化によって、家族間に節電意識が高まる効果が期待できます。
特に発電量が少ない冬なんかは、電気をこまめに消す、早く寝る、などにより節電意識が高まりますよ。
FITで売電収入が得られる
太陽光パネルを設置するメリットは、電気代が安くなるだけではありません。
実は太陽光パネルによって発電された電力を売る事が出来、収入を得る事が出来るのです。
その中でも最初は「電力固定価格買い取り制度」という制度が使えます。
経済産業省によって作られたこの制度は、略して「FIT」と呼ばれています。
太陽光パネルを設置して最初の10年は、定額で買い取ってくれる制度です。
通常電気買取金額は毎年変化しますが、この制度が使える間は定額で買い取ってくれるので、買取金額が下がってしまっても安心出来るというメリットも。
この制度が使えるのは10kw未満の太陽光パネルに限られてしまいます。
ですが、家庭用の太陽光パネルは大体が10kw未満で事足りるので、この制度を使いやすいと思います。
家を建てる際に太陽光パネルを付けるなら、ハウスメーカーの人が申請をしてくれるので手間もありません。
そしてこのFITによる電力買取期間が終わってしまっても、各電力会社と契約して引き続き、電力を売る事も出来ます。
つまり太陽パネルを設置するだけで一生、売電収入が得られるのです。
住宅ローンが利用しやすくなる
太陽光の売電収入は住宅ローンにも利用できます。
近年注目されている太陽光発電での収入も、住宅ローンに加味する金融会社が増えてきているのです。
なので年収だけでは住宅ローンを使えるか不安な人でも、太陽光パネルを設置する旨を伝えれば、ローンを利用しやすくなる可能性がアップします。
太陽光パネルを設置するデメリットは4つ
続いては太陽光パネルを設置するデメリットを4つ解説します。
主に金額によるデメリットが多いので、設置するのとしないのではどちらが得になるのかをよく考える事が大事です。
FIT後の売電金額が下がる
先ほどのメリットでFITが終わった後も各電力会社と契約すれば、引き続き電力を売る事が出来る、と書きました。
ですが、FITに比べると買取金額が下がってしまうのです。
毎年売電価格は変動するので、厳密にいくら減るかは書けませんが、FIT時の売電収入に比べると約1/5にまで減ってしまいます。
なのでFIT終了後は蓄電池を買って電気を貯めたり、家庭での消費電力になるべく回す、という人が多いです。
メンテナンス費がかかる
太陽光パネルも当然ながらメンテナンスが必要になります。
経済産業省によれば故障してないかを調べる為にも、4年に1回のメンテナンスを行う事を推奨しています。
このメンテナンスも業者による作業になるので、お金がかかります。
また、太陽光パネルにはパワーコンディショナーと呼ばれる電力変換機が設置されます。
このパワーコンディショナーの寿命は15~20年と言われており、その時が来たら交換しなければなりません。
それに加えて、太陽光パネルも寿命が20年になっています。
なのでパネル設置から20年後には、太陽光パネルとパワーコンディショナーのメンテナンスや交換で、およそ30万円ほど掛かるようになります。
初期費用が高い
家を建てるのにお金がかかりますが、それに加えて太陽光パネルを設置するなら、更に高いお金が掛かります。
家庭で太陽光パネルを設置するなら、平均的に4~6kw位のパネルが多いです。
その時の設置費用は大体110万~170万円になります。
なので太陽光を載せたいけど、お金に余裕がないから難しい、と考える人も多いです。
設置に向かない方角がある
太陽光パネルは太陽の光がなければ、その力を発揮しません。
なので当然パネル設置に向かない方角が出てきます。
それが北向きです。
北向きに太陽光パネルを設置してしまうと、太陽光が当たらないので無駄に終わってしまうのです。
一般的に東向き・西向きにパネルを設置した場合は、発電量が共に85%位に、南向きにパネルを設置すれば100%の発電量になると言われています。
なので一番設置に向いている方角は南向きという事になります。
また、北向きにパネルを設置してしまうと、近所とのトラブルに繋がってしまう可能性もあります。
なぜなら、南から太陽の光が差し込んだ時に光が反射してしまい、眩しいと感じるようになってしまいます。
なので北向きに設置する場合は、こういった周辺トラブルにも気を付けなければいけません。
ですが、どうしてもパネル設置が北向きになってしまう…と諦める必要はありません。
太陽光パネルを屋根に乗せる以外にも、土地に設置したりカーポートの上に乗せるなどして工夫をしてみましょう。
また方角以外にも気にしなければいけないのが、住む土地の環境です。
海の近くに住んでいる人は塩害が、雪の多い地域に住んでいる人は積雪があるかどうかで、パネル設置が無駄になってしまうかが分かります。
塩害や積雪があると、パネルに大きな影響を及ぼしてしまいます。
ですがこれも諦める必要はなく、塩害や積雪に強い太陽光パネルという商品があるので、これを検討してみるのも良いでしょう。
太陽光パネルを賢く設置するためのポイント
ここでは太陽光パネルを設置したいと考える人に、お得になるような2つのポイントを解説します。
お金に余裕がなく諦めようとしている人も、このポイントを実践すればパネル設置も夢ではないと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
設置費用には補助金やローンを利用する
太陽光パネルを設置するのに、1番ネックになりやすいのが設置費用ですよね。
いくら売電収入が得られるとはいっても、パネル設置には大金が必要になるので、二の足を踏んでしまう人が多いと思います。
そんな人はぜひ補助金やローンを活用してみましょう。
まず補助金です。
元々パネル設置には国が補助金を出していましたが、今はもう出ていません。
ですが、住んでいる所の自治体では、補助金を出してくれる所が多いです。
自治体によってもらえる金額や申請方法が変わってくるので、調べてみてください。
また、自治体の予算が終了してしまえばその年は補助金が出ないので、早めに申請をした方が良いでしょう。
ローンの中で言えば、ソーラーローンがおすすめです。
ソーラーローンとは太陽光専門のローンです。
これを利用する事により、初期費用0円で設置する事が出来ます。
また月々の支払いも、負担が少ない仕組みになっています。
毎月の太陽光発電で得られる売電収入と、電気代削減による余ったお金を返済に充てれば、十分返していけるようになっています。
住宅ローンの申請が通って無事に借りられるようなら、利用してみるのも良いでしょう。
また、実は太陽光パネルも、住宅ローンに組み込むことが出来るのです。
なのでソーラーローンよりも住宅ローンの方が安く済むのであれば、こちらにまとめてしまった方が便利です。
太陽光パネルを設置するならオール電化と蓄電池をセットにする
太陽光パネルを設置するだけでも売電収入を得られたり、電気代を削減出来たりと十分お得です。
ですが、もっとお得に利用したいならオール電化にして、蓄電池もセットで利用するのが良いでしょう。
というのも太陽光とオール電化、蓄電池の3つは相性がとても良いのです。
ではそれぞれどんな所が相性がいいのか見てみましょう。
太陽光とオール電化
オール電化ではない家での電気代は、1日中一定の金額です。
ですが、オール電化にすると「時間帯別電灯契約」になります。
電気代が日中高く、夜間から朝方にかけては安くなるという仕組みの事です。
通常と比べると日中は30%高く、夜間は70%安くなります。
なぜかこの契約になるかというと、オール電化にすると必ず付いてくるエコキュートがあるからなのです。
エコキュートとは電気でお湯を沸かす装置の事です。
構造はいわゆる魔法瓶と一緒です。
電気代が安い夜間に電気を使ってお湯を沸かし、電気代が高い日中には保温してあるお湯を使えるようになっています。
こういった仕組みからオール電化の家は、日中の電気代を高めに設定されているのです。
お湯関係はエコキュートが賄ってくれるので、残りの電気代は太陽光発電で全て賄えてしまう仕組みになっています。
つまりオール電化にすれば、日中の電気代は掛からないようなものなのです。
太陽光と蓄電池
蓄電池は太陽光によって発電された電気を貯めておく事のできる装置です。
繰り返充電すれば使える「2次電池」の分類に入ります。
太陽光パネルとセットにすると、停電時にも電気が使えるようになるのです。
台風や地震などの災害時でも電力確保できる蓄電池は、強い味方になります。
またそれ以外にも雨の日や夜にも電気代をかけずに、貯めておいた電気を使う事が出来ます。
蓄電池が設置されていると、オール電化と同じく時間帯別電灯契約になります。
ですが、蓄電池があれば太陽光発電による電気に加え、足りない分は蓄電池の電気が補ってくれます。
なのでオール電化にした時同様、日中はほとんど電気を買わなくて良くなるのです。
また、蓄電池にはもう1つお得な作用があります。
FITが終了した後、電力会社と契約しなくても蓄電池があれば、自家消費に回す事ができます。
家を建てる時は子供がいなくても、10年後は居る可能性も十分ありますので、実質電気代が掛からなくなる蓄電池は大きなメリットになるでしょう。
蓄電池をお得に設置する方法
蓄電池は太陽光パネルやオール電化とセットにするとお得ですが、費用が高くなってしまいます。
家庭用の蓄電池だと容量的に需要があるのが5~7kwhタイプの物です。
この辺りのタイプの物で掛かる費用は大体以下の通りになっています。
- 購入額 50万~200万円(容量による)
- 諸費用 20万~30万円
ですが、これも太陽光パネルと一緒で、補助金が利用できます。
それに加えて住宅ローンに組み込むことも可能なので、検討してみるのもおすすめです。
蓄電池の寿命は10年から15年と言われています。
FITが終了するのがパネル設置から10年なので、それに合わせて蓄電池は後付けにする、という家庭もあるようですがそれはあまりおすすめ出来ません。
なぜなら後付けだと、パワーコンディショナーの設置費用が掛かるからです。
太陽光パネルにもパワコンは必要ですが、蓄電池も専用のパワコンが必要なのです。
パネルとセットで取り付ければ、太陽光パネルと蓄電池を兼用できるハイブリット型のパワコンを1台付ければ済みます。
ですが、後付けだと2台分を取り付けなければいけないので、その分の費用が掛かってしまいます。
更に工事費もセットで設置に比べて倍掛かってしまいます。
この事から蓄電池は太陽光パネルとセットで設置した方がお得になるのです。
まとめ
- 太陽光パネルを設置すれば結果的に良い事ばかり
- 補助金やローンを上手く利用するのがポイント
- オール電化+蓄電池も一緒に設置するとお得に
ローコスト住宅を考えている人には、太陽光パネルを設置する事は金額的に負担になってしまいます。
ですが、長い目を見れば太陽光はお得になる事ばかりです。
特に災害時には太陽光パネルや蓄電池、オール電化のありがたみを体験できるかと思います。
なので是非、補助金やローンなど使える物は使ってお得な太陽光生活を始めてみてくださいね。