車やバイクを1階部分にしまう事が出来る「インナーガレージ」。
ビルトインガレージとも呼ばれています。
見た目もカーポートよりスタイリッシュで人気があります。
狭い土地に家を建てる時や、駐車場スペースが取れない時に重宝しますね。
今回は
- インナーガレージのメリット・デメリットって?
- インナーガレージを作る時のポイントは?
- 固定資産税っていくら位掛かるの?
というような気になる部分を解説していきます。
特に、インナーガレージに掛かる費用や大きさ選びは、実際に作る上で大事なポイントとなるので必見です!
この記事の目次
インナーガレージのメリット3つ
まずはインナーガレージのメリットから見ていきましょう。
実際に生活する上で便利な事ばかりですよ。
人の乗り降りや荷物の出し入れがラク
1つ目は、人の乗り降りや、荷物の出し入れが楽な事です。
共働きをしている夫婦や家族は、1週間分の買い物を週末にする事もあるでしょう。
そうなると荷物が必然的に多くなります。
そんな時でもインナーガレージならば、楽に荷物を降ろす事が可能です。
また、家族の中に高齢の方が居たり、持病のある方が居る場合もあるのでしょう。
そうなると時には、車いすを使ったりする事もあると思います。
そんな時でも、インナーガレージだと車の乗り降りがとてもスムーズですし、家に入る動線も短いのですんなりと入れます。
車いすを使っていない時でも、高齢の方は歩くのが困難な時があるので、最短距離で家に出入り出来るのは嬉しいポイントでしょう。
それだけではなく、子供も雨や雪に濡れずに済みます。
更に子供の自転車なんかを車に積んでいても、同じく濡れずに降ろせるので楽なだけではなく、自転車のサビを防ぐ事も出来ます。
雨や雪、いたずらから車を守れる
横殴りの雨の時でも雪の降る日でも気にせずに車を守る事が出来ます。
また、車の塗料は意外と紫外線に弱いですが、インナーガレージに車が入っていれば夏の暑いでも安心出来るでしょう。
雪の多い地域に住んでいる人は毎年の雪下ろしが大変です。
屋根だけではなく、カーポートやガレージの雪下ろしまでしなくてはいけませんが、インナーガレージなら屋根の雪下ろしだけで済みます。
また、カーポートだと雪の重みによって潰れてしまう可能性がありますが、その心配もインナーガレージなら要りません。
また、インナーガレージは大切な愛車を守る為にも使えます。
カーポートだと四方が守られていない為、誰でも簡単に車を傷付ける事が出来てしまいます。
更に、車上荒らしに遭う確率も多くなってしまいます。
インナーガレージなら、こうしたいたずらから車を守る事が出来るので、防犯面でも安心出来ます。
趣味や家族も楽しめる空間が出来る
インナーガレージの活用法は、車を閉まっておくだけではありません。
タイヤ交換や、車いじりをしたりする工具も置いておける倉庫代わりにもなります。
それに加えて趣味部屋としても使えてしまいます。
自分の好きな物だけを集めた空間は、子供の頃に遊んだ秘密基地のようで、思わずワクワクしてしまうでしょう。
また、それだけではなくインナーガレージがあればこんな事が家族で楽しめます。
- 小さい子供でも安全に三輪車や自転車で遊べる
- 植木鉢を置いてガーデニングが楽しめる
- 卓球やビリヤード台を置いて遊び場に
- DIYが出来る
インナーガレージがあるだけでこれだけ楽しめたら、家に居ながら最高の休日を過ごせそうですね。
体力が有り余っている子供でも思いっきり遊ぶことが出来るので、休日にレジャーに行く必要もなくなり、貯金も出来てしまいます。
インナーガレージのデメリット3つ
続いてはインナーガレージを作った際のデメリットについて解説していきます。
費用が高い
1つ目は費用が高くなってしまう事です。
やはりカーポートや設置型のガレージに比べると、インナーガレージを作るには費用が高くなってしまいます。
ガレージという建物を建てるので建物費が高額になってしまうのですが、それだけではないのです。
インナーガレージには照明やシャッターといった設備が必要不可欠です。
安い物で済ませようと思ってもそれなりの金額になる上に、シャッターが閉め辛いなど非常に使い辛いインナーガレージになってしまいます。
また、インナーガレージの中に棚がないと不便なので、そういった設備代も掛かってくるでしょう。
更に1階部分が大きく開いている仕様になるので、耐震面を考えるとどうしても不安が残ってしまいます。
1階が大きく開いているというのは、大きな地震が来た際に崩れやすくなる、という事なのです。
なので、2階以上の耐震を強化する必要が出てきてしまい、費用が更に高額になってしまう訳です。
それだけではありません。
インナーガレージの上に、リビングや寝室といった居住スペースがある場合には注意が必要です。
インナーガレージというのは、大半がコンクリート製で出来ています。
なので冷えやすいので、断熱材などの防寒対策が普通の家より必要になってきます。
そうなると、更に費用がかさんでしまいます。
騒音問題・悪臭問題
インナーガレージは便利ですが、家族や近所の人にとっては迷惑になってしまう場合があります。
家の中にあるので、どうしても排気ガスの臭いが家に入ってきてしまいます。
排気ガスの臭いを心地いいと感じる人はあまりいなく、むしろ不快なので家族からクレームが入る可能性が高いです。
なので家の中に排気ガスが入らないように、換気扇を必ず付けるようにしましょう。
また、騒音も気になるポイントです。
待ちに待った休日、朝早くから車を出そうとするとシャッターを開けなければなりません。
そのシャッターを開ける音というのは、自分が思っている以上に周りに響きます。
休日なので遅くまで休んでいる人を起こしてしまいますし、休日の朝を静かに過ごしたいと思っている人は多いので、ご近所トラブルへと発展しかねないのです。
この騒音トラブルはご近所だけではなく、家族にも当てはまります。
家の中にいる家族は、シャッターの音よりもエンジンの音が問題になりやすいです。
特に赤ちゃんがいる家庭では、エンジンの音で赤ちゃんが起きてしまうので問題になりやすいです。
奥さんからしたら、せっかく寝かしつけた赤ちゃんがエンジンの音で起きてしまったら、今までの寝かしつけの努力が無駄に終わってしまう訳です。
なので、寝室はインナーガレージから出来るだけ離す、などの工夫が必要になってくるでしょう。
2階以上に居住スペースを設けなければいけない
最後は居住スペースです。
土地が十分にあり、平屋で家を建てる場合は良いのですが、都会だとそういう訳にもいかないと思います。
インナーガレージは、1階部分のほとんどを使ってしまいます。
なので必然的にキッチンやリビング、寝室は2階以上になります。
1階に置けるのは精々、バスルーム位と考えた方が良いでしょう。
重い荷物を持っての移動は必ず階段を使うので大変になる事を頭に入れておきましょう。
居住スペースで1番の問題になってくるのが、老後です。
足腰が弱くなっても階段を使っての移動が必ず必要になるので、不便を感じるでしょう。
それが3階建ての家になると更に不便を感じると思います。
老後の為に小さなエレベーターを付けるという方法もありますが、コストが掛かってしまうので注意が必要です。
老後はどうするのかを家族とよく話し合うことが大事になってくるでしょう。
インナーガレージを作る時の5つのポイント
ここからは実際にインナーガレージを作る人に向けてのポイント解説になります。
この後解説する設備の選び方は案外見落としがちなポイントです。
ですが、ローコスト住宅でなるべく価格を抑えて作りたい人には是非、覚えてもらいたいポイントばかりです。
また、ガレージの大きさの選び方、掛かる費用なんかは特に気になる部分だと思います。
自分たちに合ったインナーガレージを想像しながら読んで見てくださいね。
生活動線を考える
1つ目は生活動線を考えたインナーガレージ作りです。
庭に設置するカーポートは家から少し離れているので、少し移動をしなければいけないですよね?
ですが、この場合はカーポートをなるべく家に近づける以外には対処法はありません。
それと一緒でインナーガレージも使いやすい動線を考えましょう。
1階部分にガレージがありますが、それだけでは便利とは言い切れません。
実際に車からキッチン・玄関が遠いと、重い荷物を持っている時に意外とストレスが溜まります。
なので
- ガレージとキッチンの出入り口を繋ぐ
- ガレージの奥に玄関ドアを作る
といったような対処が必要になるので検討してみてください。
設備の選び方
続いては、インナーガレージ内の設備の選び方です。
選び方によって、高くなるのか安くなるのかのターニングポイントとなるので、ぜひチェックしましょう。
照明の選び方
照明の選び方は以下の2つを守ると、使いやすいインナーガレージになります。
- 自動照明タイプ
- 光の調整が出来るタイプ
手動照明だと、夜にガレージへと車をしまう時、シャッターを閉め切ってしまうと真っ暗になり周りが全く見えなくなります。
インナーガレージの大半がコンクリートで作られている為、思っている以上に暗くなります。
そして車から降りて、手探りで照明を付けに行かなくてはならなくなるので負担になります。
特に疲れて帰って来た日は面倒臭くなるでしょう。
ですが、自動照明だと車から降りたらすぐに電気が付くので、荷物を持って家に入るだけで済むのです。
更に、白系とオレンジ系の光が調整できるタイプにしておくと、照明の全体数を減らす事が出来ます。
車のタイヤ交換などをする時には明るい白系の照明を使いたいですし、オレンジ系の照明は愛車をじっくり眺めたい時に使えるでしょう。
光の調整が出来るタイプの照明は一般的な照明より高いですが、照明の数がたくさんある方が高くなるので、ここは調整できるタイプを選んだ方が賢明です。
費用節約の為にもぜひ検討してみてみださいね。
換気扇の選び方
インナーガレージの場合、絶対に換気扇は付けてください。
いくら費用を抑えたいからといって付けないのはNGです。
家の中に排気ガスが入り込むだけではなく、二酸化炭素中毒になる危険性があります。
そして換気扇を付けるならば、業務用の換気扇が望ましいです。
なぜなら強力な換気扇であればある程、インナーガレージ内に空気の流れを作りやすくなるからです。
続いて換気扇を付ける場所です。
強力な換気扇が金額的に無理でも、この2点を守れる場所に置く事で、排気ガスを効果的に外に出す事が出来ます。
- 空気の流れが悪い場所
- インナーガレージの上と下の2か所
インナーガレージの上下に付ける事で空気の流れを生み出すことが出来ます。
更にこれに加え換気する時はシャッターを全開にすれば、より早く換気できるのでこちらもぜひ忘れずに行ってみましょう。
コンセントも忘れずに
更にインナーガレージの設備で忘れてはいけないのが、コンセントの設置です。
コンセントは工具を使う時にも使うので、最低でも1つは確保しておきたい所です。
また、将来EV車になる可能性があるのであれば、コンセントをEV車が充電できるタイプにしておくと更に便利になるでしょう。
金額的に難しい場合には、後で設置できるように電気工事だけでもしておくと良いでしょう。
シャッターを選ぶ時のポイント
シャッターは手動の方が安いのですが、開け閉めする時に結構大きな音が鳴り響いてしまいます。
周りの迷惑になりがちになるので避けた方が無難です。
また、安いシャッターはコストランニングの面でもおすすめは出来ません。
安いとどうしても劣化するのが早く、最悪錆びてしまいます。
そうなるとシャッターを買い直さなくてはいけなくなるので、お金が余計に掛かってしまいます。
シャッターは主に3種類ある
シャッターの種類は主に3種類に分かれていて、それぞれの特徴はこんな感じです。
- 巻き上げ式 ガレージ上に収納される。チェーンタイプ。安い為、音がうるさくスピードも遅いが、設置場所を選ばないのでどのガレージでも使える。
- ベルト式 ベルトタイプ。構造は巻き上げ式と一緒。静かだが、巻き上げるパワーが若干弱いので、重い素材のシャッターとの相性は合わない。
- オーバースライダー式 天井のレールに沿って収納できる。音が静かでパワーもあるが構造上、天井にゆとりがあるガレージじゃないと設置が厳しい。
周りに家がない・広い土地に住んでいるのであれば、巻き上げ式でも問題ないと思います。
ですが、住宅が密集しているのならば、少し金額が高くなりますが、オーバースライダー式にした方が良いでしょう。
また、外観を気にする人ならば、シャッターの素材にこだわると思います。
そんな人にもオーバースライダー式がおすすめです。
オーバースライダー式なら、アルミや木材で出来たシャッターでも難なく持ち上げられますよ。
ガレージの大きさ選びのポイント
インナーガレージが小さ過ぎると使いにくいですし、大き過ぎると費用が掛かり過ぎてしまうので、自分たちに合った大きさを選ぶのが1番のポイントになります。
では車別にどの位の大きさが良いかを見てみましょう。
- 軽自動車 幅2.3m×奥行5.0m
- 普通車 幅2.5m×奥行6.0m
- セダン車 幅3.0m×奥行6.0m
ドアの開閉や人の出入り、ベビーカーや自転車などの乗り降りも考えた大きさになっているので、実際にこれを参考にしてみてください。
また、車1台を置くのに必要な坪数は4~5坪程度です。
車2台になると10坪程度が必要になると言われていますので、この坪数を覚えておくのも良いかも知れません。
ガレージの大きさを決めるのにあたって1つ注意点があります。
それは将来の事まで考える事です。
今は軽自動車1台で満足出来るかもしれません。
ですが、将来子供が増えてくると大きな車に乗り換えたり、車が2台に増えるかもしれません。
こういった事も考えておかないと、ガレージなのに車が置けなくなったり、狭く使い辛いガレージになってしまいます。
インナーガレージを作るのに掛かる費用
最後は気になるインナーガレージを作るのに掛かる費用です。
インナーガレージは家と一体化しているので、掛かる費用は坪単価で考えます。
ローコスト住宅で建てる場合、坪単価は大体50万円になります。
一方、車1台をガレージに置くのに必要な坪数は4~5坪になります。
なので車1台置けるガレージを作るのに掛かる費用は、200万~250万円という事になります。
ですがこの計算はあくまでも一般的に言われている物に過ぎません。
というのも、ハウスメーカーによって計算方法が違うのです。
「延べ床面積」なのか「施工面積」なのかで決まります。
なので、どこのインナーガレージが安いかを知るためには、「相見積もり」が必要になります。
複数のメーカーに同じ条件で見積を出してもらう事で、どこが安いかが見えてくるので、是非請求してみてくださいね。
インナーガレージに掛かる固定資産税とは?
固定資産税とは土地や建物に対して掛かる税金です。
建築にどんな材料を使ったか?部屋の広さはどの位か?で評価され税金額が決まります。
もちろんインナーガレージも家と一体化しているので固定資産税が掛かります。
ここでは
- どうしたら少しでも税金が安くなるのか?
- ランニングコスト的に考えるとどうなのか?
の2点を解説していきます。
固定資産税を安くするには?
固定資産税の評価から考えると、インナーガレージは普通の部屋と比べて評価額が低くなる傾向にあります。
普通の部屋と比べると明らかに簡素な作りになるからです。
ですが税金は、安ければ安い程嬉しくなりますよね。
そうするのにはどうすれば良いかというと、各階の床面積の合計である「延床面積」という物を使います。
延床面積が1/5以下のインナーガレージであれば、「容積率の緩和措置」という建築基準法を受けられ、安くなる訳です。
なので是非、インナーガレージを作る際は延床面積1/5以下を目安に作ってみましょう。
また、インナーガレージを作る際に、壁を少なくしてオープンなガレージを作ると、更に固定資産税が安くなるのでおすすめですよ。
ランニングコストを考えてみる
都会ならば、家を建てた上に近くの駐車場を借りる人が多くいるでしょう。
駐車場代は月に2~3万円程掛かりますよね。
そうなると年間に24~36万円の出費となります。
一方、インナーガレージを作った場合の固定資産税は、年間数千円~数万円です。
こうして比べてみると、駐車場代をずっと払っていくより固定資産税を払う方が、ランニングコスト的に良いと思いませんか?
車を停めて置けるような庭を作れなくて、駐車場を借りなくてはいけないという人は、こういった考え方をしてみて下さいね。
まとめ
インナーガレージは費用面を考えてしまうと、どうしても不安が残ると思います。
ですが想像してみて下さい。
インナーガレージで自分も家族も幸せな休日が過ごせている所を。
その為にも是非、ランニングコストを考えたり、固定資産税を安くしたりといった工夫をしてみましょう。
またインナーガレージはコストが掛かるので、その時は他でコストダウンを図る事も大切です。