自然素材を使って建てられた家での、健康的な生活には憧れますよね。
魅力的な自然素材の家ですが、費用が高いことがネックになっている方は少なくないでしょう。
この記事では、少しでもローコストに自然素材の家を建てるための方法をご紹介します。
家の品質を落さずに実現できる方法ばかりなので、コスパよい家づくりにぜひお役立てください。
自然素材の家をローコストに建てる方法4つとは?
自然素材にはどのような種類がある?
自然素材の家のメリット・デメリットとは?
この記事の目次
自然素材の家をローコストに建てる方法4つ
間違った方法で費用を節約すると、住み心地の悪い自然素材の家になってしまうかもしれません。
安全にローコストな自然素材の家を建てる方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
自然素材の家を規格化してるメーカーを選ぶ
自然素材の家を規格化しているメーカーを選ぶことは、ローコストに自然素材の家を建てる方法の1つです。
規格住宅とは、限られた選択肢から仕様を選択してプランニングする家を指します。
デザインの大枠が決まっていて、それをカスタマイズするイメージです。
なぜ規格住宅はローコストに建てられるのか、理由を見てみましょう。
- 規格住宅に必要な材料は種類が限られる
- 同じ材料を大量仕入れできるため単価を安くできる
- 規格化された家づくりのプランニングは時短しやすい
これらの理由から、規格住宅はローコストを実現しやすいのです。
つまり自然素材の家を規格住宅として提案しているメーカーなら…
コスパよく自然素材の家を建てられる可能性が高くなります。
メリハリある予算の使い方をする
メリハリある予算の使い方をすることは、安く自然素材の家を建てるための方法です。
- 玄関や外観など、家の見せ場となる部分
- 気密性・断熱性に関わる仕様
施工の手間がかかる自然素材は、施工費用が高くなりがちです。
家全体に自然素材を使えば高級感が出ますが、ローコストは実現できませんよね。
家でとくに目立たせたい部分に自然素材を使用すると、満足感ある家づくりができます。
また、自然素材は美しいものですが、あまり多様するとしつこい印象になってしまうこともあります。
ポイントを絞って自然素材を使うことは、お得なだけではなく、おしゃれな家づくりにもつながるでしょう。
満足感はほしいわね!
- 水回りの仕様
- 電気設備の仕様
一方、水回りや電気設備の仕様はコストカットしやすい部分です。
気密性・断熱性などの基本性能と違い、これらはグレードが低くても使い勝手に問題がないことが多いためです。
できるだけメーカーの標準仕様を選び、オプション料金がかからないようにすると、他の部分に費用をかけやすくなりますね。
間取りや外観デザインの工夫をする
間取りや外観デザインの工夫をすることは、ローコストに自然素材の家を建てやすくするための方法です。
間取りの工夫 | 外観の工夫 |
廊下のない間取りにする | 総二階建てなどシンプルな外観にする |
水回りがまとまった間取りにする | 屋根の形をシンプルにする |
部屋を細かく仕切らない | 外観に凹凸を作らない |
扉付き収納を少なくする |
これらは施工費用を安くするための工夫です。
どれも、使う材料を少なくすることや、施工の手間を最小限にすることを目的としています。
例えば廊下のない間取りなら、廊下の施工にかかる材料や手間を減らせます。
廊下は居室ではありませんが、居室と同じような施工が必要になるため、廊下がないことはコストカットにつながるのです。
DIYを取り入れる
自然素材の家をローコストに建てるために、家の一部を未完成のまま引き渡してもらい、施主がDIYをする方法があります。
自然素材の漆喰を壁に塗装したり、タイル貼りをしたりして、手間のかかる施工費を節約するのです。
- 壁を部分的に施工
- ウッドデッキ施工
- エクステリアの砂利敷き
DIYで完成させられる部分は、住宅の仕上げ部分やエクステリアです。
電気設備や家の躯体部分は、基本的にDIYできないと考えましょう。
施工費を節約しようとしすぎて、大規模なDIYを計画するのはおすすめできません。
とくにDIY初心者は、メーカーと相談して、無理のない範囲を決めるのがよいでしょう。
失敗してけっきょく職人に依頼する結果になれば、余分な費用が必要になる可能性もあります。
自然素材を使う部分のDIYが難しくても、収納スペースなどの仕上げをDIYにして費用を節約するのもおすすめです。
例えば、収納の床をDIYして浮いた予算を、自然素材の施工費用にすると効率的ですよね。
- 屋根裏収納の床材がないまま引き渡してもらって、入居後タイルカーペットを敷きました。
- タイルカーペットはただ敷くだけの簡単DIYなので、初心者でも安心です。
- 材料も安いものをネット購入したので、少なからず費用節約になりました。
自然素材の種類をご紹介
家づくりに使われる自然素材には、どのようなものがあるのでしょうか。
シンプルに木の家も自然素材の家ですが…
実は自然素材にはいろいろな種類があるのでご紹介します。
無垢材
家づくりに使われる無垢材は、天然の木から切り出した木材を指します。
見た目の美しさのほか、経年変化を楽しめること、調湿効果があることなどが魅力です。
ただし、天然の木を使うため個体差があることは、無垢材のデメリットとなることもあります。
- 床材
- 天井材
- 柱や梁などの躯体部分
- 外壁
無垢材は木造の家づくりで、いろいろな部分に使われます。
とくに肌が触れる機会が多い床材は、無垢材を使う人気の部分です。
無垢材の床は傷がついても目立ちにくい、味としてなじみやすいなどの特徴もあります。
長く住み続けたとき、人工的に作られた合板フローリングより、愛着を感じられる床になっているでしょう。
珪藻土
珪藻土はバスマットでおなじみの自然素材ですが、家づくりの材料としても人気があります。
珪藻土には調湿効果や消臭効果があるため、部屋の壁に施工すると、室内環境が快適になることが期待できます。
- リビングや寝室の壁
- ランドリースペースの壁
家族が長い時間過ごす、リビングなどの居室にぴったりの自然素材ですね。
珪藻土の調湿効果を生かして、洗濯物を干すランドリースペースの壁に使うのもおすすめです。
珪藻土は家づくりに多用したくなる魅力的な自然素材ですが、水はねや汚れには弱い特徴もあります。
そのため、キッチンや水回りの壁には向いていません。
珪藻土の魅力を生かした家づくりをするためには、使う部分を慎重に選ぶ必要があるでしょう。
漆喰
漆喰は調湿効果や消臭効果、抗菌効果などがある自然素材で、珪藻土と似た魅力があります。
両者のおもな違いは強度です。
漆喰の方が珪藻土より強度が高く、水にも強いため、外壁に使うこともできます。
- 外壁
- リビングや寝室の壁
- トイレ
漆喰は外壁にも使える強度があるため、施工場所の幅が珪藻土より広がります。
しかし漆喰は手作業で塗って施工する自然素材なので、費用が高くなりがちです。
機能性も耐久性も高い漆喰ですが、使う部分は限定的にしないとローコストを実現するのが難しくなります。
コルク
ワインの栓にも使われるコルクは、家づくりにも使えることをご存じでしょうか。
液体を漏らさず長期保存できるコルクは、水に強く耐久性が高いことが特徴です。
- 床・壁・天井など室内全般
- 浴室の床
- 断熱材
浴室の床にコルクを使うと、効果が実感しやすいとされます。
コルクの保温性や弾力性のため、安全で快適な浴室づくりができるのです。
また、遮音性や調湿性も高いので、居室のどの部分に使っても快適な家づくりができます。
独特な風合いの自然素材なので、オリジナリティある家づくりもできそうですね。
このようにメリットが多いコルクですが、高価な自然素材であることがネックといえます。
皮部分だけだから、木が再生するまでに9年しかかからないのよ。
自然素材を選ぶことのメリット
自然素材の家は、よい意味で目立ちます。
独特な魅力のある自然素材を家づくりに選ぶことには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
健康的な家にしやすい
ずっと暮らす家を健康的なものにできることは、自然素材を選ぶことの大きなメリットです。
自然素材は人工的に作られた材料と比べて、含まれる化学物質が少ないことが理由です。
人工的に接着された材料からは、少しずつ化学物質が発生する可能性があり、アレルギーの原因になることがあります。
家は長い時間を過ごす場所だからこそ、健康的な材料を選んで建てたいものですね。
材料が廃盤にならない
廃盤になる心配がないことは、自然素材を選ぶことのメリットです。
自然素材は自然界にあるものが材料になっているので、人工的な材料と違って廃盤になることがありません。
例えば新築から数年後に、壁の一部が大きく傷ついた場合を考えてみましょう。
壁を漆喰で施工していたら、また漆喰で塗り直せば修正できます。
しかしクロス貼りだったら、まったく同じものは廃盤になっていることも考えられるでしょう。
廃盤になっていた場合、似たクロスで補修するか、部屋全体のクロスを貼り直すしかなくなります。
いつまでも同じ材料で手直しができれば、長い間、愛着を持って暮らせる家づくりができるでしょう。
自然素材を選ぶことのデメリット
家づくりに自然素材を選ぶことにはメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。
デメリットも把握して、後悔の少ない家づくりにお役立てください。
費用が高くなりがち
自然素材を選ぶことで費用が高くなりがちなことは、ローコストな家づくりを希望する方にとってデメリットとなります。
自然素材が高くなるおもな理由は、材料そのものが高価なことと、職人の負担が大きくなることです。
自然素材の家づくりは、工場で大量生産された材料を、現場で組み立てるだけの家づくりとは異なります。
職人の手作業によって施工される部分が多いため、高い技術が必要になります。
さらに施工時間も長くなるので、自然素材の家は費用が高くなる傾向があるのです。
材料にばらつきがある
自然素材は自然界にあるものが材料なので、工場生産の材料と違ってばらつきがあります。
例えば無垢材なら、節が多めの部分や少ない部分など、個体差が出てしまうものです。
経験豊富な職人による施工でないと、そのような個体差に対応するのが難しくなるでしょう。
きちんとした職人を自社で雇っているような、信頼できるメーカーを選ぶことが大切です。
我が家の浴室天井はレッドシダー貼り
我が家は浴室や水回りの天井に、レッドシダーという樹種の無垢材を施工しました。
施工はプロの職人の方です。
ナチュラルな風合いが魅力の板張り天井ですが、無垢材を水回りに施工することに不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新築から約4年経った我が家の、率直な感想をご紹介しますね。
- カビなどの深刻なダメージはない
- 天井でも水のシミができる
- 浴室ほど湿気があると調湿効果は感じられない
水回りに無垢材を使うときに気になるのは、カビが発生することや、木が腐ることではありませんか。
それらの対策のため、我が家の浴室には大きな窓があります。
素早く換気ができることが防カビや防腐に役立っているためか、4年経った今も天井の無垢材に大きなダメージは見られません。
しかし、ダメージはなくても、よく見ると水のシミはあります。
天井は近くで見る部分ではないので普段は気になりません。
それより、天井まで水がはねることに驚きました。
プロの職人に防水対策をしっかりしてもらうことの大切さがわかります。
水は思った以上にはねるものなので、水回りの無垢材はDIYで施工するべき部分ではありません。
まとめ
メリットが多く、多くの方が憧れる自然素材の家ですが、施工費用が高くなることは悩みですね。
できるだけ安く建てるためには、計画的なプランニングが大切といえるでしょう。
家の設計段階で工夫が必要なのはもちろん、メーカー選びを慎重にすることも重要です。
自然素材の家が施工事例に多く、しっかり話を聞いてくれるメーカーを選びましょう。
上手に施工費用を節約しつつ、安心して快適な暮らしができる家づくりを成功させてくださいね。