この記事では、メーカー選びのポイントや、見学会でのチェックポイントをご紹介します。
家づくりを始めてみて、まず感じることがあると思います。
たくさんのハウスメーカーのなかから、1つだけを選び出し契約することは簡単ではありません。
とりあえず、メーカーのモデルハウスをチェックしたくなるところですが…
実はモデルハウスは、メーカー選びの材料としてあまり役立ちません。
メーカーが開催している見学会の方が、参考になりますよ。
ローコスト住宅メーカー選びのコツとは?
見学会でのチェックポイントとは?
この記事の目次
ローコスト住宅メーカー選びのコツ5つをご紹介
メーカー選びを成功させるためには、いくつかのコツがあります。
5つに絞ってご紹介するので、後悔の少ないメーカー選びにぜひお役立てください。
メーカーの施工事例が好みのテイストか確認!
これまでの施工事例に好みの家が多いか確認することは、メーカー選びの大切なコツです。
メーカーが提案するデザインの家から、できるだけ変更せずにプランニングすることで、施工費用を節約できるためです。
変更の少ないプランニングが、ローコストにつながるからくりを見てみましょう。
- ローコスト住宅メーカーの多くは規格住宅を提案している
- 規格住宅なら使う材料の種類が限られる
- 同じ材料を大量仕入れできると単価を下げられる
- ローコストな家づくりを実現できる
このようなからくりのため、規格のままプランニングを進めると、建築費用を節約しやすくなります。
デザインが好みではないメーカーと契約しても、仕様を変更すれば好みに近い家づくりができるかもしれません。
しかしデザイン変更のためにオプション料金がかかりすぎると、ローコストな家づくりをすることは難しくなるでしょう。
仕様変更にかかるオプション料金を確認!
仕様変更にかかるオプション料金を確認することは、コスパよいメーカー選びのコツです。
住み心地をよくするための仕様変更に、高いオプション料金がかかるようでは、ローコストな家づくりは難しくなるためです。
ローコスト住宅の場合、全般的に最低限のグレードを標準仕様としていることが少なくありません。
気密性・断熱性など、家の基本性能まで低いと、家の住み心地が悪くなります。
室内環境が悪いと、光熱費が高くなり、ランニングコストも高額になってしまうでしょう。
そのため、家の基本性能は高いものに変更した方が、コスパよい家づくりができるのです。
家のデザインがよくても、住み心地がよくない家になってしまっては、コスパが悪いですよね。
長期的に見てもお得な家づくりをするには、初期費用をかけて、基本性能のグレードを高くするのがよいのです。
アフターメンテナンスについて確認!
アフターメンテナンスをきちんと行ってくれるメーカーかどうか確認することも、上手なメーカー選びのコツです。
どの家にも入居後のメンテナンスは欠かせませんが、ローコスト住宅の場合はとくに重要です。
ローコスト住宅はコストを抑えるため、材料のグレードを最低限にしていると考えられるためです。
安い材料の耐用年数は、あまり長くない特徴があります。
きちんとしたメンテナンスをしないと、その耐用年数はさらに短くなってしまうでしょう。
せっかく建築費用を安くできても、すぐに寿命を迎えてしまうような家では、お得とはいえませんよね。
定期的なメンテナンスを規定通り行っているメーカーを選ぶことは、コスパよい家づくりにつながるのです。
担当者が信頼できる人物か確認!
家づくりのプランニングに対応する担当者が、信頼できる人物かよく確認しましょう。
家づくりの経験がない施主が家づくりを成功させるためには、担当者との信頼関係が大切です。
家づくりのプランニングは、人と人のやり取りで行われます。
いくら優秀な担当者でも、相性が合わないとストレスがたまるでしょう。
知識や経験など、担当者に関する細かいチェック項目も気になるところですが…
まずは、安心して家づくりを任せられる人物かどうかを基準に考えるのがおすすめです。
家が完成したときの後悔を少なくすることにもつながりますよ。
見学会イベントを開催しているか確認!
気になるローコスト住宅メーカーが、見学会などのイベントを開催しているかどうか確認しましょう。
メーカーのイベントは、リアルな家づくりを体感できる機会です。
契約前にメーカーについて詳しく知っておけば、後悔が少ない選択ができるでしょう。
反対に、立派なモデルハウスを公開しているだけのメーカーには、注意した方がよいかもしれません。
- 構造見学会
- 完成見学会
- OB見学会
構造見学会では、家が完成したら隠れてしまう、構造部分を見学できます。
完成後に隠れてしまう部分を公開しているメーカーなら、信頼度が高いといえますよね。
また、実際に工事を行っている現場の雰囲気を感じられる機会でもあります。
完成見学会では、等身大の家を体感できます。
等身大の家は、実際の家づくりの参考にしやすいことが特徴です。
例えば、「リビング15畳はこれくらい」など、建築予定の家と近い広さを体感して参考にすることができます。
展示場のモデルハウスは、できる限り立派に見えるよう、最高グレードの仕様で建てられたものが多いものです。
家の広さも、標準的なものよりかなり広いことが多いのではないでしょうか。
モデルハウスは楽しむことはできても、家づくりの参考にはあまりなりません。
メーカーで家づくりをした過去の施主が協力して行われる、OB見学会というイベントを開催しているメーカーもあります。
OB見学会では、新築から数年暮らした家がどのように変化するのか、実際の住み心地はどうなのかなどを聞くことができます。
家が完成したあとの、リアルな意見を聞ける機会なので、開催している場合は積極的に参加するのがおすすめです。
見学会イベントでのチェックポイントとは
見学会は、メーカーの本当の姿を知る貴重な機会です。
なんとなく参加して終わってしまうことがないよう、抑えるべきポイントを確認してから臨みましょう。
どのような職人が施工しているかチェックする
家の施工をしている職人が、どのような雰囲気の方たちなのかチェックしましょう。
- あいさつをしているか
- 安全に気を配っているか
- 吸い殻を散らかしていないか
基本的なマナーがよく、対応がよい職人かどうかよく観察します。
自社で職人を雇って施工をしているメーカーなら、職人との付き合いは長いものになるでしょう。
定期的なメンテナンスのほか、家に不具合が発生したときに対応するのは、その職人かもしれません。
なにより、大切な我が家を施工してもらうわけですから、適当な仕事をするような職人では大変です。
標準仕様の雰囲気をチェックする
標準仕様の材料で建てられた家をチェックすると、どのような雰囲気の家になるかつかみやすくなります。
家づくりのプランニングでは、小さなサンプルを見て決める部分が多いものです。
小さなサンプルではよく見えたのに、家づくりに使われたら違和感を感じることもあります。
とくに、クロスのような大きな面積に使う材料は、そのクロスを貼った部屋を実際に見て確認するのがおすすめです。
見学会では写真を撮ったり品番を控えたりして、ご自身の家のプランニングに役立てましょう。
基準にする材料があるだけでも、かなり参考になりますよ。
音の伝わり方をチェックする
家での生活音がどの程度伝わるのか、見学会でチェックしてみましょう。
そのメーカーが建てる家の音の伝わり方は、見学会や口コミでしか確認できません。
感じ方には個人差があるので、ご自身で体感して確認するのがおすすめです。
見学会の時点でわかっていれば、間取り決めなどに反映できることもあるかもしれません。
室内で外の騒音が気になるかどうかも忘れずに確認します。
周辺環境にも左右されますが、あまりに音漏れがひどいと感じたなら、そのメーカーの工法が合っていない可能性もあります。
展示場にローコスト住宅のモデルハウスがない理由とは
むしろ立派なモデルハウスがないローコスト住宅メーカーは、コスパのよい家づくりをしているといえます。
まずは、ローコスト住宅メーカーがローコストを実現するための方法をご覧ください。
- 規格住宅を提案して材料の単価を安くする
- プランニングにかかる時間を短くして人件費を削減する
- 宣伝費用を節約する
宣伝費用にはモデルハウスにかかる費用も含まれます。
モデルハウスには少なからず費用がかかっているため、それがなければさらに効率よくコストカットができるからくりです。
モデルハウス展示ではなく、見学イベントでメーカー宣伝をしているメーカーの方が、コスパよい家づくりがしやすくなるといえますね。
メーカーの宣伝目的で建てられたモデルハウスは、一般の方が実際に建てる家より豪華な場合が多いものです。
モデルハウスは、見て楽しむことはできても、家づくりの参考にはなりにくいと考えましょう。
我が家のメーカー選びについて
数年前、我が家は小規模な工務店に依頼して、家づくりをしました。
その工務店を仮に工務店Aとしましょう。
我が家が最終的に工務店Aを選んで、契約したときのエピソードをご紹介します。
選んだ決め手
我が家が工務店Aと契約した決め手は、信頼できる工務店であると感じたことです。
工務店Aにはモデルハウスはありませんでした。
そのかわり、ひんぱんに見学イベントを開催しています。
小規模な工務店なので、たいてい社長もイベントに来ていました。
自社で雇っている職人の方と直接話せる機会も多く、契約までにはすっかり顔なじみになっていたほどです。
どのような方たちが家づくりをしているのかよく分かったことが、信頼感につながりました。
規模の小さい工務店の強み
- 施主と工務店の距離感が近い
- 入居後のメンテナンス対応が早い
工務店Aは地元密着の工務店で、社員全員を知ることができるほど小規模です。
大手ハウスメーカーの見学もしましたが、施主との距離感に違いを感じました。
工務店Aは個人と個人でやり取りができ、間に余計な人物をはさむ必要がないので、あまりすれ違いが発生しません。
家づくりに関する融通が利きやすいことも、小規模な工務店ならではです。
次に、工務店Aはメンテナンス対応が早い特徴もあります。
自社で職人を雇っていること、地域密着タイプの工務店であることがおもな理由です。
自社職人だといつも同じ方なので、各家の作りを把握しています。
そのため作業効率がよくなるようです。
そして地域に密着していると、たいていその地域に建設現場があります。
我が家と同じ地域に現場があると、職人に少し寄ってメンテナンスしてもらうなど、小回りが利くことが多くなります。
モデルハウスを売り出しているメーカーもある
数あるメーカーのなかには、古くなったモデルハウスを売りに出すところもあります。
モデルハウスは、メーカー宣伝のために建てられる家なので、豪華な仕様が選ばれていることも少なくありません。
立派な戸建て住宅を安く買えるチャンスともいえますね。
- 新築物件ではない
- 自分で自由設計した家ではない
仕様が豪華なモデルハウスを安く買えたらお得ですが、上記のような注意ポイントもあります。
モデルハウスは豪華かもしれませんが、実質、建売住宅ともいえます。
自由設計で家づくりをしようと考えている方にとって、抵抗を感じるポイントになるでしょう。
ご家庭で、よく話し合うことが大切ですね。
考え方が一致すれば、モデルハウスはコスパよい買い物になるかもしれません。
まとめ
家づくりのスタートラインに立つと、とりあえずモデルハウスを見てみたくなるものですよね。
もし気になったメーカーにモデルハウスがなかったら、その時点で他のメーカーにしようと考えるかもしれません。
しかし、実はモデルハウスはメーカー選びの重要なポイントではないのです。
むしろモデルハウスのないメーカーの方が、コスパよい家づくりができるかもしれません。
華やかなモデルハウスを見学するより、見学会でメーカーの本質をチェックして、後悔のない選択をしてくださいね。