「せっかく家を建てるんだったら、コンクリート住宅が良い!」
という人多いですよね。
確かにコンクリートの無機質な雰囲気って憧れますよね。
日本に多い木造の家とは違って独特でカッコいいです。
そんなコンクリート住宅ですが、コンクリートにすると価格が高くなります。
「憧れてはいるけど、家族もいるから無理かな・・」
と諦めようとしているなら、少し待ってください!
ローコスト住宅でコンクリートの家が作れる、となったら興味が湧きませんか?
今回は
「コンクリートの家を建てたい!けど、お金が心配・・」
といった人向けに
- ローコスト住宅でも快適なコンクリートの家にする方法
- コンクリート住宅のメリット・デメリット
- コンクリート住宅の価格相場
を解説していきます。
この記事の目次
コンクリート住宅とは?
まずはコンクリート住宅とは何かを知っていきましょう。
コンクリート住宅には主に2つの工法があります。
その2つが
- RC造
- SRC造
です。
RC造
RC造は「Reinforced Concrete Construction」の略で、「補強されたコンクリート」という意味です。
「鉄筋コンクリート」と言った方が伝わりやすいかもしれませんね。
コンクリート住宅というとこのRC造がよく紹介されるので、何となく知ってる、という人も多いと思います。
柱や梁といった建材部分に、鉄筋が入っているコンクリート住宅のことをRC造と言います。
その鉄筋部分に砂や砂利、セメントと水を混ぜ合わせたコンクリートを流し込みます。
このRC造は、消防署や警察署といった緊急性の高い建物や公共施設などによく用いれられています。
それだけ頑丈でスペックが高い造りになっている、という事ですね。
SRC造
SRC造は「Steel Reinforced Concrete Construction」の略です。
鉄筋コンクリートに鉄骨が組み込まれている「鉄骨鉄筋コンクリート」になります。
RC造の真ん中に鉄骨が組み込まれており、先ほどのRC造よりも更に頑丈で高いスペックを誇る建物、という事になります。
ですが、構造が複雑で工期が長くなるというデメリットがあります。
そもそもこのSRC造は、高層ビルやマンションなどに用いられる造りで、一戸建てを建てるのにSRC造を採用する、という人は少ないです。
2階建てや3階建て、平屋などの家ならば、RC造が一般的ですし、人気があります。
なので、ローコストでコンクリート住宅を建てたいならばRC造を選びましょう!
鉄筋コンクリート住宅には2種類の工法がある
RC造を詳しく見ていくと更に、2種類の工法に分ける事が出来ます。
- プレハブ工法
- 現場打ち工法
の2種類です。
プレハブ工法
プレハブ工法は、ローコスト住宅ではお馴染みの工場で生産をする方法です。
工場で部材を作り、現場で組み立てます。
工場生産なので、品質が一定で誰でも部材を作れるので、工期も短く済みます。
ですが、輸送費がすごくかかるのでコストが高くなりがちです。
普通の工場生産でのローコスト住宅はコストが安くなるのに対して、コンクリート住宅になるとコストが高くなるのは驚きですね。
現場打ち工法
現場打ち工法は、その名の通り、建築現場でコンクリートを鉄筋で出来た型に流す方法です。
プレハブよりコストが低く、コンクリート住宅と言ったらこの現場打ち工法が一般的です。
ローコスト住宅にする場合、コストを出来るだけ抑えたいので、現場打ち工法一択になるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅の7つのメリットって?
火災に強い
住宅街など家が密集している所に家を建てる時には、建築基準法で「防火指定」というものが指定されています。
そんな時、コンクリート住宅はとても重宝する建物になります。
コンクリートで出来ているので、燃えないからです。
建築基準法で耐火建築物にも認められている程で、火災が1時間続いたとしても建物の倒壊を防ぐことが出来ます。
延焼もしないですし、何より火災時に発生しやすい有毒ガスの排出量もコンクリート住宅なら抑える事が出来るので、中毒死を防ぐ事も出来ます。
また、火災に強いと家を建てた時に加入する保険の料金にも影響してきます。
コンクリート住宅にすると、木造住宅や鉄骨住宅にした時に比べて保険料が安くなります。
保険会社は燃えやすい建物より、燃えにくい建物の方がお金を払う確率が低くなるので、安くなる訳ですね。
保険料というのは毎月掛かるものなので、出来るだけ安い方が良いですよね!
なのでそういった点では、火災に強いコンクリート住宅はメリットなのです。
自由なデザインに出来る
木造住宅だと構造を強くして、耐久性を高める為に柱が家中にあります。
ですが、コンクリート住宅なら、構造自体が高い強度を誇るので、柱や梁といった建材が必要なくなります。
なので、広いLDKや寝室が作れます。
視界を遮るものがないので、木造住宅では味わえない開放感のあるすっきりとした部屋を作る事が出来ます。
また、何もない、広い部屋が作れるからこそ、自由にデザインも出来るのです。
オリジナルな設計や内装も出来ちゃうので、人と違う家にしたい!という人には持ってこいなのではないでしょうか。
遮音性がバツグン
住宅街など家の外に音が漏れるのを躊躇ってしまう場合や、お店が近くにあったりして家の外の音が気になってしまう場所に家を建てる場合もありますよね。
そんな時に、コンクリート住宅というのはおすすめです。
音をコンクリートが遮断してくれるので、遮音性バツグンです。
生活音が漏れないですし、外からの音も入って来ません。
なのでピアノやギターと言った趣味を心から楽しむ事も出来ます。
また、
「子供の声が漏れて迷惑なのでは・・?」
と悩む必要もなくなります。
外の音が家に入ってくるというのは意外にもストレスになります。
特に寝ている時はすごくストレスになりやすいので、遮音性がバツグンなコンクリート住宅は優秀な家と言えます。
高い耐震性
コンクリート住宅は地震にも強い建物です。
それはコンクリート住宅の構造にあります。
地震が起きると家というのは伸び縮みをします。
ですが、鉄筋コンクリート造にすると、鉄筋の引っ張る力とコンクリートの押す力がお互い支えてくれるのです。
そのお陰で耐震性がUPするのです。
地震の際に起こる伸び縮みを防いでくれる訳ですね。
実際に大震災が起こった時、木造や鉄筋造の家は半壊・倒壊してしまった家が多かったのに対し、鉄筋コンクリート造の家は半壊もしなかったという結果が出ています。
近年大きな地震が起きやすくなっているので、コンクリート住宅にしておくと安心して生活が出来ますね。
1番気密性が高い
鉄筋コンクリート造は、鉄筋で出来た型にコンクリートを流し込むことによって作られます。
隙間がなくなるので、気密性が高くなります。
対して木造というのは、天候次第で木が伸び縮みする性質を持っているので、隙間をわざと作って建てています。
なので気密性は低くなります。
気密性が高いという事は、冷暖房が短時間で効率よく効くという事です。
省エネですし、毎月の光熱費が安く済むので、貯金も出来てしまいますよ。
耐久力がある
鉄筋コンクリート造は、木造や鉄骨造とは比べ物にならない位耐久力があります。
建築基準法で法定耐用年数というものが決まっています。
建物の工法別に法律で耐久年数が決められています。
メンテナンスをしながら普通に住んでいたら、この家はこの位持ちますよ、というものです。
木造は22年、鉄骨造は20~35年、鉄筋コンクリート造は約50年と年数が定められています。
鉄筋コンクリート造が1番耐久年数が長いのが分かりますね。
法律では50年と定められていますが、実際には100年以上も持つのです!
なので、自分たちの世代だけではなく、次世代に家を継いで欲しい時にこのコンクリート住宅は使えますね。
土地いっぱいに建築が出来る
木造や鉄骨造は足場が必要になるので、土地いっぱいに建築をする、というのは難しくなります。
ですが、コンクリート住宅なら建築面積いっぱいに建築が可能になります。
都心部などに家を建てようとすると土地の広さに限りがあるので、コンクリート住宅にする事によって土地の有効活用が出来ます。
コンクリート住宅の5つのデメリットは?
工期が長い
木造は工期が3か月しか掛からないのに対して、鉄筋コンクリート造は5~6か月と工期が長いです。
コンクリートを鉄筋の型に流して固まるまで待つ「養生期間」という工程があります。
この工程があるせいで工期が長くなるのです。
ですが、強度が高い家を作る為に必要な工程になるので省くことは出来ません。
工期が長いとそれだけ人件費が掛かるので、建築費が高くなります。
また、仮り住まいなどの住む場所のお金も木造に比べて掛かります。
ただでさえコンクリート住宅は、他の工法で作られた住宅よりお金が掛かる上に、更にこういったお金が掛かる訳です。
建て替えや増築に向かない
コンクリート住宅は木造住宅と違って、増築や改築に向きません。
部材自体が高いので、コストが掛かり過ぎてしまうのです。
また、壁を取り除く事や更地にするのも、ものすごい費用が掛かります。
コンクリート住宅は長持ちする家なので、建てたら増築や改築などを考えずにずっと使い続ける、といった考えで設計するのが賢明でしょう。
メンテナンスが必要
コンクリート住宅は木造住宅などと違い、メンテナンス性は高い家になります。
長い時が経っても劣化がしにくい為です。
ですが、外壁に傷やひび割れが起こってしまった場合はメンテナンスが必要になります。
この傷やひび割れが起こる事を「クラックが起こる」と言います。
クラックが起こると雨水が内側に入り込んでしまったり、汚れが落ちにくかったりします。
雨水が入り込んでしまったのを長期間放置すると、鉄筋に侵食してしまい、腐敗が始まります。
クラックが小さければコンクリートが自然に防いでくれるので良いですが、大きくなると大事な構造部材の鉄筋が腐敗してしまうので、早めのメンテナンスが必要です。
特にコンクリート打ちっぱなしの外壁にした場合はクラックが目立ちやすいので、クラックが起きてないかこまめにチェックしましょう。
その他のメンテナンスとしては、外壁の塗装が必要になります。
期間は10年に1回程度でOKです。
コンクリートと水は相性が悪いので、塗装が劣化すると雨水が内側に入り込んでしまう為です。
塗装は35年間で150万円程度かかってしまいますが、先ほども書いた通り、外壁に雨水が入り込むと鉄骨が腐敗してしまう可能性があるので必ず行ってくださいね。
外の気温の影響を受けやすく湿気が起こりやすい
コンクリート住宅は外の気温の影響を受けやすいです。
なのでどうしても冬は寒く、夏は暑い家になりやすいです。
また、コンクリート住宅は水分を含んだ建築部材なので、湿気が起こりやすくなってしまいます。
湿気が多いとカビが発生しやすくなるので、カビ対策が必要になります。
特に梅雨の時期なんかは湿気が特に起こりやすいので注意しましょう。
価格が高くなりがち
コンクリート住宅は建築価格が高くなりがちです。
工期が長い事や人件費が他の工法より掛かる事以外にも、価格が高くなってしまう原因があります。
それがコンクリート住宅が重い事にあります。
重いので、地盤が耐えられない可能性が出てきます。
なので、地盤沈下や液状化現象が起きやすくなってしまいます。
それを防ぐために基礎強化工事や地盤強化工事が必要になります。
この工事費が高額になるので、結果的にコンクリート住宅が高額になる訳です。
鉄筋コンクリート住宅の価格相場はいくら?
コンクリート住宅の坪単価はめちゃくちゃ高いです。
どこのハウスメーカーや工務店で建てたとしても、坪単価は100万円~と覚えておいた方が良いでしょう。
木造住宅が30万~60万円、鉄骨住宅が60万~80万円なので、高い事が分かりますね。
4LDKに換算すると、30~35坪、2階建てのコンクリート住宅を建てた場合、2000万~2500万円掛かる計算になります。
建物だけでこの値段なので、土地代を含めると3000万円掛かるのではないでしょうか。
1000万円台でコンクリート住宅を建てる事は難しく、建てられたとしても10坪以下の狭小住宅になってしまいます。
10坪以下というと、マンションのワンルーム並みの広さしかないので、子育てをしながら生活する・・というのは少々向いていない気がしますね。
どうしてコンクリート住宅はこんなにも高いのでしょうか?
そもそも坪単価は建築費を床面積で割った数値なので、建築費が高い、という事になります。
ではこの建築費には何が含まれているのでしょうか?
- コンクリート費用
- その他家を建てるのに必要な建材費用
- 施工費
- 仮設費
- 広告費
- 人件費
以上の物が含まれています。
コンクリート住宅は工期が長いので、工事する人の管理費や仮設費、人件費が木造住宅などに比べて高くなります。
これがコンクリート住宅の坪単価が高い理由です。
相見積もりをしよう
コンクリート住宅は、どんなに安くしてくれるローコスト住宅メーカーを探しても、トータルコストは下がらないことが多いです。
なので何が大事かというと、相見積もりをする、という事です。
複数のハウスメーカーや工務店を周り、見積もりを出してもらい、それを比べてみましょう。
その中で1番トータルコストが安いメーカーに頼むと、安く済みます。
この相見積もりは、色んなメーカーに行かなくてはいけないという手間がありますが、結構使える物です。
相見積もりをするとトータルコストが数百万位違った、なんて事もざらにあります。
また、相見積もりをする時に、1社でも良いのでコンクリート住宅に強いメーカーにも足を運んでみると良いです。
そういう会社はコンクリート住宅を建てるノウハウを熟知しているので、結果的にトータルコストが安くなる事が多いです。
HPやカタログを見てあまり気に入らなかったとしても、ぜひ、足を運んでみましょう。
- 大成建設ハウジング
- レスコハウス
特にこの2社はコンクリート住宅に強く、全国展開しているメーカーで、割と足を運びやすいと思います。
ローコストで快適なコンクリート住宅にする5ポイント
最後にローコストでも快適に住む為のポイントを5つ、解説していきます。
ここのポイントを守るだけでも、ローコストで住みやすいコンクリート住宅になりますので、ぜひ設計する時に取り入れてみてくださいね。
平屋にする
コンクリート住宅はコンクリートを固める為に一定期間放置する工程があります。
その工程がある事で、人件費が余計に掛かってしまいます。
2階建てにすると、1階部分にコンクリートを流し固めてから、2階部分のコンクリート流し固める事になります。
固まらせる工程が2回もあるのです。
なので、コストを下げる為に、平屋にするという手もあります。
平屋にすればコストを大幅に下げる事が出来、また、工期も短縮出来たりするのでメリットが結構大きいですよ。
形をシンプルにする
コンクリート住宅をローコストにするなら、シンプルな形にするのも手っ取り早い方法です。
シンプルな四角型にしてみましょう。
コンクリート住宅はシンプルな四角型でも見栄えが良いです。
逆にシンプルな形の方がカッコいいまであります。
また、内装もシンプルにすると更にローコストになります。
廊下をなるべくなくし、リビング空間を活用する間取りにするだけでコストがぐっと下がります。
こうした間取りをシンプルに工夫して面積を最低限に抑え、有効活用してみましょう。
断熱材はしっかりといれる
コンクリート住宅は外の気温の影響を受けやすい家になります。
いくらローコスト住宅にしたいからといって、断熱材をケチると光熱費が掛かり過ぎてしまいます。
断熱材はしっかりと入れましょう。
例えば
窓 ・・・ 断熱サッシ、2重ガラス、アルミと樹脂の複合サッシを使う
壁 ・・・ 硬質ウレタンフォームを使う
といった対策が必要です。
確かに断熱材をしっかりと入れると高くなってしまいますが、ランニングコストを考えると最終的には安くなるので、断熱材はしっかりと入れるようにしてみて下さいね。
打ちっぱなしにする
色んなコンクリート住宅を見ていると、外壁を打ちっぱなしのコンクリートにしている家が多いですよね。
打ちっぱなしにすると、余計な塗装をしなくてもよいので、コストが安く済みます。
なのでローコストにしたい場合は、外壁を打ちっぱなしのコンクリートにしてみた下さいね。
更にローコストにしたい場合は、内装も打ちっぱなしにしてみましょう。
通常、コンクリート住宅の内装というのは、壁や天井は石膏ボードを張り、その上からクロスを張ります。
構造材を隠すためにするのですが、この工程を省いてしまえば内装費を抑えられます。
見た目は荒々しくはなってしまいますが、それもコンクリート住宅ならではの雰囲気と捉える事も出来ますよ。
設備の無駄を省く
ローコストにしたいなら、キッチンやお風呂、洗面台といった設備のチェックを怠ってはいけません。
設備というのは便利な機能が付いているものが沢山あるので、つい費用が嵩んでしまいがちです。
ローコストにするなら国産メーカー一択にしましょう。
この時に同じメーカーの物で揃える事で、更に設備費用を抑える事が出来ますよ。
本当は最低グレードにすると1番費用を抑えられますが、グレードを落とし過ぎた物を使うと使い辛いと思いますし、すぐに壊れてしまう可能性もあります。
なので、グレードを無理に落とす必要はありませんが、同じメーカーで揃えることは誰でも出来ると思いますので、検討してみてくださいね。
まとめ
コストが高くなりがちなコンクリート住宅。
ですが、独特な雰囲気は憧れますね。
そんな雰囲気ある素敵な家に住む為にも、まずはメリットやデメリットをしっかりと理解する事が必要です。
そして、無理なくトータルコストを抑えつつ、ローコストになるようにしていく事が大切です。
その為にもこの記事をぜひ、有効活用してみてくださいね。