この記事ではローコスト住宅の材料について、安全性やデザイン性など気になるポイントをご紹介します。
「ローコスト住宅でも、おしゃれで安全な家を建てたい!」と、みなさん思いますよね。
安く家が建てられると人気のローコスト住宅ですが、材料に不安があっては安心して暮らすことはできません。
ローコスト住宅は、安いのに安全な家なのでしょうか。
この記事の目次
ローコスト住宅に使われる材料について
家づくりには、数えきれないほどたくさんの材料が使われます。
安全性が気になる構造部分から、デザイン性が気になる外壁や壁紙まで…
ローコスト住宅に使われる材料について見てみましょう。
ローコスト住宅の木材
木材は家の構造部分を作る重要な材料です。
構造部分の木材は、家が完成したあとで確認したり、交換したりすることができない部分です。
そのため、どのような材料を使用して建てられるのか、あらかじめ知っておくことがとても大切です。
今回は家の重要な部分である、土台を中心に解説します。
木材の種類とは
ローコスト住宅の材木は主に、国産ヒノキや米マツなどの外国産レッドウッドが使われます。
ヒノキは家づくりの材木としての歴史が長く、耐久性や耐水性の高さが特徴です。
耐久性が高いため、ヒノキは神社仏閣などの建築にも使用されます。
さらにヒノキには、シロアリを防ぐ効果のある物質が含まれているのです。
一方外国産レッドウッドは、シロアリを防ぐための薬剤を注入して、家づくりに使用されます。
ヒノキほどシロアリに強くないということです。
さらに外国産の木材は、日本の気候にマッチしない可能性もある点にはご注意ください。
なお、外国産の木材を標準としているメーカーでも、ヒノキに変更できるケースがあります。
その場合コストアップが予想されるので、メーカーの変更を含め検討する必要もあるかもしれません。
集成材とは
ローコスト住宅には、集成材が使われるケースが多いとされます。
家づくりに使われる木材には、集成材と無垢材があるのですが、まずは特徴を簡単に解説します。
集成材は、2cm程度の厚さにカットした木材を接着材で貼り合わせて作った、人工的な木材です。
無垢材は、自然のままの木から切り出した木材です。
次にそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
集成材のメリットとデメリット
集成材のメリット
- 一般的に安い
- 品質が統一されており、強度が高い
集成材のデメリット
- 材料となる木材や接着剤によって品質が異なる
- 長期的に安全か不透明な部分がある
無垢材のメリットとデメリット
無垢材のメリット
- しっかり乾燥されているものは強度が高い
- 接着材を使用しない材料なので安心
- 見た目が美しい
無垢材のデメリット
- 一般的に高い
- 加工の手間がかかる
集成材は価格が安く、品質が安定しやすい材料であるため、ローコスト住宅によく使われます。
集成材の方が無垢材より、1.5倍強度が高いというデータもあり、コスパのよい材料といえるでしょう。
しかし、木材や接着剤によって品質に差が出る特徴もあるため、信頼できるメーカーを選ぶことが大切です。
木材の乾燥方法とは
ローコスト住宅で使われる木材の多くは、強制乾燥によって作られたKD材です。
家づくりの木材は、自然乾燥か強制乾燥によって乾燥させてから使われます。
自然乾燥によって作られた木材はAD材、強制乾燥によって作られた木材はKD材と呼ばれているのです。
- 乾燥期間が短く、コストが安い
- 耐用年数が30~35年である
- 強制乾燥によって木の性質が変化する場合がある
- 乾燥期間が長く、コストが高い
- 耐用年数が100年以上である
コストが高いほど耐用年数が長くなるのは、他の多くの材料と同じといえます。
安くて耐用年数が比較的短いKD材の、「木の性質が変化する」特徴には注意が必要です。
本来であればシロアリに強い材料であったとしても、強制乾燥することによって、性質のすべてが発揮されない可能性があるのです。
ローコスト住宅とシロアリについて
どのような価格帯であっても、家づくりにおいてシロアリ対策はとても大切なことです。
シロアリが入り込んでしまうと、家は食い尽くされてしまう確率が高いとされます。
そのため、最初の侵入をシロアリに許さないことが重要です。
- 薬剤注入がされた木材を家づくりに使う
- 床下の換気をよくする
- 家の周囲に木を置かない
適切な薬剤を使用した木材で家づくりをして、シロアリを寄せつけないように対策するのは効果的な方法です。
ACQという薬剤やホウ酸系の薬剤は、効果の持続期間が長いとされます。
またシロアリは湿気を好むため、侵入されやすい場所である床下の換気をよくすることが大切です。
家の周囲に木を放置すると、シロアリが好きな湿った木となり、シロアリを呼ぶことになってしまうでしょう。
「放置」ではありませんが、ウッドデッキもシロアリの観点からすると注意が必要とされます。
ローコスト住宅の屋根材
スレートと呼ばれる屋根材は、ローコスト住宅によく使用されます。
スレートはセメントを基本的な材料として作られた、軽くてローコストな屋根材です。
人工のスレートはローコストですが、天然のものは一般的に高級屋根材とされるのでご注意ください。
デザインがシンプルで安いことがメリットですが、耐用年数は短めです。
防水効果を持続させるため、約5年サイクルでメンテナンスすることが推奨される点はデメリットといえます。
ローコスト住宅の外壁
ローコスト住宅の外壁には、サイディングという材料がよく使われます。
サイディングは、主にセメントや金属から作られた人工の外壁材料です。
デザインが豊富でローコストなため、とても人気の高い外壁とされます。
普及率は、ほとんどの家に使用されているといってよいほどの高さです。
しかし耐用年数はそれほど長くなく、10年程度で大規模なメンテナンスが必要になる点には注意が必要です。
サイディングは初期費用は抑えられますが、ランニングコストがかかる材料といえるでしょう。
ローコスト住宅の壁紙
ローコスト住宅の壁紙は、標準的なグレードのものからクロスを選ぶのが一般的です。
機能性が高いハイグレードなクロスを選ぶと、オプション扱いとなり割高になる可能性があります。
漆喰など特殊な壁を希望する場合は、職人の手間がかかるなどの理由で、コストはさらにアップするでしょう。
ローコスト住宅は、標準以外を選択すると、大きなコストアップにつながりがちです。
ローコスト住宅の床材
ローコスト住宅の床材は、そのメーカーが標準とするフローリングなどから選択するのが一般的です。
依頼するメーカーの標準に、無垢材があればお得に無垢材を選ぶこともできるでしょう。
希望の床材がある場合、メーカーと契約する前に標準仕様の選択肢を確認しておくのがおすすめです。
- 無垢材は人工のフローリングと違って、多少傷がついてもあまり目立ちません。
- 塗装ありですが、よほど深い傷がつかなければ、地の色が見えることはなさそうです。
型落ち品はローコストにおすすめ
最新より少し古い型のものを、型落ち品といいます。
機能面では最新品より劣っても、ローコストに入手できる可能性が高いことが、型落ち品を選ぶことのメリットです。
しかも少し前までは最新だったものなので、機能に問題があるわけではありません。
機能が過剰にあるより、シンプルな方が使いやすい場合も少なくないでしょう。
ローコストに家づくりをするなら、型落ち品を選ぶのはおすすめです。
我が家の材料に関する工夫をご紹介
我が家を新築したのは、約4年前です。
そのとき取り入れた材料に関する節約術をご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
トイレは型落ち品
我が家のプランニングを依頼した工務店からの提案で、我が家のトイレは型落ち品にしました。
「トイレはシャワー付き、できればタンクレス」
これが我が家のトイレに対する希望だったので、それに該当する型落ち品はいくらでもあったのです。
しかも工務店がまとめて仕入れたトイレの残りがあったため、それを採用することにしました。
型落ち品というだけでお得ですが、工務店のありがたい提案のおかげで、トイレにかかる費用を大幅に節約することができたのです。
壁に掲示スペースを確保
我が家は、壁紙のグレードは高くありませんが、一部に掲示専用の壁紙を採用しました。
「掲示スペース」があれば、掲示物はそこに集中するため、家全体の壁に傷が残るリスクは減らしやすくなります。
結果的に、低いグレードの壁紙でもきれいなまま過ごせるだろうと予想したのです。
戸建て住宅に住んだら、気兼ねなく壁にアートなどを飾りたくなるものではないでしょうか。
とくに子どもがいれば、工作などは高確率で家に展示するでしょう。
壁紙は使用する範囲が広い材料なので、そのグレードを高くしなくてよいことは節約につながりました。
なお、掲示スペースを作り付けにしなくても、大きなコルクボードなどを買って代用すればさらに節約できるでしょう。
床は1階と2階で違うもの
我が家の床は無垢材ですが、1階は塗装あり、2階は塗装なしにすることでコストカットしました。
1階をこだわりの空間にするため塗装ありにして、メリハリをつけたのです。
家全体の床を塗装するより、当然コストカットになります。
細かい部分ですが、色が変わるのは階段を上りきった2階の床からです。
階段の材料も塗装ありにしたわけですが、もし階段の1段目から塗装なしにすれば、さらにコストカットにつながったでしょう。
我が家は塗装の有無でコスト調節しましたが、材料をそのものを変えてコストカットすることもできるかもしれませんね。
一部床材をDIY
我が家の屋根裏収納は完成時、床材のない板のままでした。
住み始めてから、自分で購入したタイルカーペットを敷いたのです。
つまりDIYなので施工費・材料費、ともにカットすることができました。
タイルカーペットははさみで簡単に切れるので、サイズは自由に調節できます。
そしてクッション性があるので、傷がついたり音が響いたりする心配もありません。
収納スペースにぴったりの材料といえるでしょう。
- あらかじめ購入する材料を決めておいて、厚みを工務店に伝えると、収まりよく施工してもらえます。
- ネット購入の場合、誤差が出るかもしれないので、最初に少し購入してみるのがおすすめです。
まとめ
材料は標準仕様から選ぶことが、ローコストな家づくりのポイントといえます。
しかし構造部分に関して、標準のままでは不安が残るようであればグレードアップすることも検討した方がよいでしょう。
構造部分は完成してしまえば、建て替える以外に交換する方法がありません。
安全でおしゃれな家づくりを成功させるためには、メーカー探しにこだわることがポイントです。